「あと5分だよ」
そう声をかけたのに、5分後に「まだやりたい!」と大荒れ。
時計は読めるはずなのに、なぜか伝わらない。
そんなとき、特別支援の教室で長く使われてきたのが、のこり時間が赤い面積で減っていくタイムタイマーです。
この記事では、タイムタイマーが子どもに伝わる理由と、予算の都合ですぐには用意できないときに、スマホやタブレットでそのまま使える無料のWebタイマーを紹介します。
記事の後半に、教室での使い方のコツ4つと、タイマーに頼らずに「時間を見える化」する方法も載せています。
「あと5分」が伝わらない教室、ありませんか

特別支援学級の担任をしていたころ、いちばん荒れやすかったのは、活動の「終わり」でした。
- 「あと5分」と言ったのに、終わりの合図で泣き出す
- 「10分たったら片づけ」が、何度言っても通じない
- 好きな活動ほど、切り替えで大きな癇癪になる
- 時計を指さしても、「まだ」の一点張り
言い方を変えても、声を大きくしても、変わらない。
こちらも毎回、身構えてしまいます。
時間が「見える」と、終わりの合図で荒れにくくなる

子どもの前に、のこり時間が色の面積で減っていくタイマーを置くと、教室の空気が変わってきます。
「色がここまで減ったら、おしまいね」
そう指さすだけで、子どもは自分で色を見ながら、終わりに向けて気持ちを整えていきます。先生が「あと何分」と言い続けなくてよくなるのが、いちばんの変化です。
終わりが自分で分かる子は、切り替えのときに荒れにくくなります。荒れる回数が減れば、その分だけ授業の時間が戻ってきます。
タイムタイマーは良い。でも、全教室には置けない

タイムタイマーは、多くの先生がすすめている定番の視覚支援グッズです。
私もずっと「これはいい」と思って使ってきました。
以前勤めていた学校では、教頭先生が「これは全教室に置くべきだ」と言って、学校の予算で各教室に配置してくれました。
子どもが時間を自分で見られる環境が、学校全体にできたのです。
ただ、どの学校でもそうできるわけではありません。
- 予算の都合で、すぐには買えない
- 買えても1台だけで、支援学級の複数の教室には足りない
- 結局、先生が自腹で買っている
私自身も、算数資料室にあった時計の教材を借りてきたり、紙皿で円グラフのような時計を子どもと一緒に作ったりして、しのいでいた時期があります。
そういう先生のために、スマホやタブレットで、無料でそのまま使えるWeb版を作りました。
買う前に、まずこれで試してみてください。
※「タイムタイマー(TIME TIMER)」は Time Timer 社の製品名です。この記事で紹介するWeb版は、私が作った別のツールで、同社とは関係ありません。

あなたの言い方のせいではない。「時間」は目に見えないから

「あと5分」が伝わらないのは、あなたの声かけが悪いからではありません。
時間は、そもそも目に見えないものだからです。
「5」という数字は読めても、「5分の長さ」は体の感覚で覚えるしかありません。楽しいときの5分と、待っているときの5分は、子どもにとってまったく別の長さです。
さらに、時計の針は動きが小さすぎます。長針が1目盛り動くのを、じっと見ていられる子はいません。
だから、数字ではなく、面積で見せるのです。色が減っていくのは、時計が読めない子でも「減っている」と分かりやすくなります。
もう一つ。「おしまい」が突然やってくることも、荒れる原因です。
心の準備をする時間がないまま終わりを告げられると、癇癪の引き金になります。
これも、見えるタイマーなら減らせます。
無料の「みえるタイマー」でできること

私が作ったWeb版のタイマーです。アプリのインストールは不要で、リンクを開くだけで使えます。色は、あお・みどり・オレンジ・むらさき・あかの5色から選べます(初期は青)。
・のこり時間が色の面積で減っていく
・1分〜45分のボタンと、±1分・±5分の調整
・「よこく」の合図(あと1分/3分/5分)
・終わりの音を、鳴らす・鳴らさない・大きさ・長さで調整
・動いている間は、画面が消えない
スマホ・タブレット・パソコン、どれでも使えます(音だけは端末の設定に左右されます。あとで説明する「ためし聞き」で確かめてください)。教室の大型モニターに映せば、学級全体で使えます。時間・よこく・音は、その子に合わせてカスタマイズできます。
教室での使い方のコツ4つ

タイマーは置くだけでは効きません。声かけとセットにしてください。
① 「あと5分」ではなく、色を指さす
❌「あと5分だよ」
✔「色がここまで減ったら、おしまいね」(指でさす)
言葉より、指さしのほうが伝わります。時計の数字がまだ読めない子にも同じように使えます。
② 「よこく」を必ず設定する
「あと3分」の合図を入れておくと、終わる前にやわらかい音が1回鳴り、目盛りの上のオレンジの線がその位置を示します。
「色がこの線まで減ったら、もうすぐおしまい」と、先に伝えておいてください。突然の「おしまい」が癇癪のきっかけになる子にとって、この3分が心の準備の時間になります。
③ 音が苦手な子は、「鳴らさない」にする
聴覚過敏のある子にとっては、終了音そのものが嫌な刺激になります。音を切っても、画面の変化だけで伝わる子は多いです。逆に、ざわついた教室で使うなら「大きめ」「ながく」に。
④ 使う前に「ためし聞き」をする
iPhoneやiPadは、消音モード(サイレントモード)になっていると音が鳴りません。端末の音量にも左右されます。授業の前に「ためし聞き」ボタンで確かめてから使ってください。
ぷーたタイマーは「終わりを守らせる道具」ではなく、「終わりを自分で分かるための道具」です。守れなかった日も、色が減るのを一緒に見た経験は残ります。
市販のタイムタイマーとの違い


Web版が向いているのは、こんなときです。
- 買う前に、この子に効くかどうか試したい
- 音の有無や大きさを、子どもに合わせて変えたい
- 教室を移動するとき、スマホ1台で済ませたい
- 大型モニターに映して、学級全体で見たい
一方で、市販品は電源も画面も要らず、子どもが自分で回して使えます。机の上に「物として置ける」のは、実物の強みです。Web版で効果を確かめてから、実物を買うという順番でも遅くありません。


タイマーだけに頼らない。時計そのものを子どものそばに置く


タイマーは「今の活動の終わり」を見せる道具です。それに加えて、私が大事にしていたのは、時計そのものを、子どもが自分で触れる場所に置くことでした。
たとえば、算数セットの時計の模型を、子どもの引き出しに1つずつ入れておきます。時計の学習をしている間、先生が「9時半」と言ったら、子どもがぱっとその時刻を作って見せられる。そんな状態にしておくのです。
時計とお金は、算数の中でも日常生活にいちばん近い単元です。教科書の中だけで終わらせず、身近に置いて、自分で操作できることが、生活の力になります。
紙皿で円グラフのような時計を作る活動もおすすめです。時計の学習と図工を兼ねられて、作ったものがそのまま「自分のタイマー」になります。
タイムタイマーの代わりになる無料WebタイマーのQA


- 本当に無料ですか。登録は要りますか。
-
無料です。登録もインストールも要りません。リンクを開くだけで使えます。ブラウザの「ホーム画面に追加」をしておくと、アプリのようにすぐ開けます。
- 音が鳴りません。
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iPhone・iPadは消音モード(サイレントモード)になっていると鳴りません。端末の音量も確認してください。それでも鳴らないときは、画面の「ためし聞き」を一度押してから、もう一度お試しください。
- 色が減るのを見て、かえって焦る子がいます。
-
その子には、時間を短めに設定して「終わりまでやりきれた」経験から始めてください。3分で終われたら、次は5分。長い時間を見せるのは、慣れてからで大丈夫です。
- 家庭でも使えますか。
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使えます。宿題や、お風呂や寝る前の「あと少し」にも同じように使えます。保護者の方に紹介するときは、「色がここまで減ったらおしまい、と指さしてください」と使い方も一緒に伝えてください。
タイムタイマーの代わりになる無料Webタイマーのまとめ


・「あと5分」が伝わらないのは、時間が目に見えないから
・数字ではなく、色の面積で見せる
・手元にないときは、無料のWeb版でまず試す
・「よこく」を設定して、突然の「おしまい」をなくす
・時計そのものを、子どものそばに置く
※「タイムタイマー」はTime Timer LLCの登録商標です。この記事で紹介している「みえるタイマー」は同社とは関係のない、教員コンパスが作った無料のWebツールです。











