地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援

【PR】この記事には広告を含む場合があります。
ブログ教員コンパス「地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援」のアイキャッチ画像

「困った子」ではなく「困っている子」と見る視点

先日、地域の方とのお話会で、特別支援についてお話しする機会がありました。

その場で、いくつかご質問をいただきました。

「自分の子どもは、もしかしたら自閉症なのではないか」

「兄弟が全く片付けができない。片付けられないという障害があるのか」

どちらも、とても大切なご質問でした。

そして、こうした質問が出ること自体、
地域の中で子どもや家族を見守ろうとしている方が
いるということだと感じました。

特別支援というと、学校の中だけの話と
思われるかもしれません。

でも本当は、家庭、学校、地域が少しずつ
同じ視点を持つことで、子どもも、保護者も、
周りの大人も安心しやすくなります。

この記事では、地域で子どもを見守るために
知っておきたい特別支援の考え方について、
実際にいただいたご質問も交えながらお伝えします。

公式LINEのQRコード

\無料で /

[小学校]特別支援学級担任の仕事スキル 初めてでもできる!大丈夫!工夫と支援 

目次

特別支援は「特別な子だけのもの」ではありません

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「特別支援は「特別な子だけのもの」ではありません」の画像

特別支援と聞くと、

「障害のある子どもへの支援」
「特別支援学級の子どもへの支援」
「専門家が行うもの」

というイメージがあるかもしれません。

もちろん、それも特別支援の大切な一面です。

でも、もっと広く考えると、特別支援とは、

その子が安心して生活したり、学んだり、人と関わったりできるように、必要な助けをすること

です。

たとえば、

言葉だけでは伝わりにくい子に、絵や写真で伝える。

急な予定変更が苦手な子に、先に見通しを伝える。

音や人混みが苦手な子に、少し静かな場所を用意する。

失敗が怖い子に、「大丈夫だよ」と安心できる声をかける。

気持ちを言葉にするのが難しい子に、「いやだったのかな」と言葉にしてあげる。

こうした関わりも、特別支援の考え方です。

特別支援は、特別な場所だけで行うものではありません。

学校でも、家庭でも、地域でもできます。

特別支援の基本については、こちらの記事でも詳しくまとめています👇

「自閉症かどうか」は、すぐに判断できるものではありません

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「「自閉症かどうか」は、すぐに判断できるものではありません」の画像

お話会の中で、こんなご質問をいただきました。

自分の子どもは、もしかしたら自閉症なんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか?

「自分の子どもは、もしかしたら自閉症なんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか」

このようなご質問は、保護者の方からも、地域の方からも出ることがあります。

まず大切なのは、
自閉症かどうかは、
そのお子さんをよく見ないと判断できない
ということです。

そして、診断名をつけるのは医師の役割です。

教員や支援者ができるのは、診断をすることではありません。

ただし、

「どんな場面で困っているのか」
「どんな環境だと落ち着きやすいのか」
「どんな伝え方だと分かりやすいのか」
「どんな支援があると生活しやすくなるのか」

という見立てをすることはできます。

つまり、私たちが見るべきなのは、
診断名そのものよりも、

その人が今、何に困っているのか

ということです。

白か黒かではなく、多くの人は「水色」の中にいる

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「白か黒かではなく、多くの人は「水色」の中にいる」の画像

お話会では、障害がある人とない人の線引きについてもお話ししました。

私はよく、白と青ではなく、間に「水色」があるという話をします。

はっきりと診断がつく方もいます。

一方で、診断名はないけれど、苦手さや困りごとを抱えている方もいます。

さらに言えば、多くの人は何かしらの苦手さを持っています。

人前で話すのが苦手な人。

片付けが苦手な人。

急な変更が苦手な人。

音に敏感な人。

人付き合いに疲れやすい人。

集中しすぎて周りが見えなくなる人。

計画を立てるのが苦手な人。

こう考えると、ほとんどの人は、真っ白でも真っ青でもなく、どこかしら「水色」の中にいるのではないかと思います。

大切なのは、
「障害があるか、ないか」だけで人を見ることではありません。

・その人が社会の中で生活できているか。
・本人が強く困っているか。
・周りとの関係で大きなトラブルが起きているか。
・人を傷つけたり、自分を追い詰めたりする状態になっていないか。

そうした視点で見ることが大切です。

少し変わっていることと、支援が必要なことは同じではない

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「少し変わっていることと、支援が必要なことは同じではない」の画像

お話会で出たご相談の中に、

「もしかしたら自閉症かもしれない」と心配されている方のお話がありました。

その方は、就職もしていて、結婚もしていて、お子さんもいるとのことでした。

もちろん、実際にお会いしていないので、何かを判断することはできません。

ただ、一般的な考え方として、もしその方が社会の中で生活し、家庭を持ち、大きく困らずに暮らしているのであれば、すぐに何かをしなければならないとは限りません。

周りから見ると、

「少し変わっているな」
「こだわりが強いな」
「人付き合いが独特だな」

と思われることはあるかもしれません。

でも、そのこと自体がすぐに問題になるわけではありません。

人に危害を加えているわけではない。

生活が大きく破綻しているわけではない。

本人が強く困っているわけでもない。

周りも必要以上に困っていない。

そうであれば、まずはその人の個性として見守ることも一つです。

特別支援で大切なのは、何でも診断名に結びつけることではありません。

その人が安心して生活できるように、必要な時に必要な支援を考えることです。

特別支援学級に入る基準や就学までの流れについては、こちらの記事にまとめています。

「片付けられない」は障害なのでしょうか

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「「片付けられない」は障害なのでしょうか」の画像

もう一つ、こんなご質問もいただきました。

兄弟が、全く片付けができない。片付けられないという障害はあるのでしょうか

「兄弟に、全く片付けができない人がいます。片付けられないという障害はあるのでしょうか」

これも、とても現実的なご質問です。

片付けが苦手な方は、たくさんいます。

物を捨てられない。

どこから手をつければよいか分からない。

片付け始めても、別のものが気になって進まない。

必要なものと不要なものを分けるのが苦手。

片付けようと思っても、後回しにしてしまう。

こうした姿は、誰にでも多少はあります。

ただ、極端に片付けができず、日常生活に大きな支障が出ている場合には、注意の向きやすさ、見通しの持ちにくさ、段取りの苦手さなどが関係していることもあります。

ADHDの傾向がある方の中には、整理整頓や片付けが苦手な方もいます。

ただし、ここでも大切なのは、

片付けられない=ADHD

と決めつけないことです。

診断名をつけることよりも、

「どうすれば生活しやすくなるか」

を考える方が、実際の役に立ちます。

片付けが苦手な人にできる具体的な工夫

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「片付けが苦手な人にできる具体的な工夫」の画像

片付けが苦手な人に対して、

「ちゃんと片付けなさい」
「どうしてできないの」
「普通はできるでしょ」

と言っても、あまり効果がないことがあります。

本人も、やった方がいいことは分かっている場合が多いからです。

でも、分かっていてもできない。

どこから始めればよいか分からない。

気力が続かない。

そういうことがあります。

その場合は、本人の努力だけに任せるのではなく、仕組みを変えることが大切です。

たとえば、

・物を増やさない。

・置き場所を決める。

・収納を細かく分けすぎない。

・見える収納にする。

・一度に全部やろうとしない。

・「今日は机の上だけ」など、場所を小さく区切る。

・家族が一緒に片付ける日を決める。

・定期的に片付けをサポートしてくれるサービスを利用する。

こうした工夫があります。

大切なのは、気合いで何とかしようとしないことです。

「本人の性格が悪い」
「だらしない」
「やる気がない」

と責めるだけでは、状況は変わりにくいです。

その人に合った仕組みを作ることが、支援になります。

周りに迷惑がかかる場合は、支援につなげることも必要です

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「周りに迷惑がかかる場合は、支援につなげることも必要です」の画像

一方で、見守るだけでは足りない場合もあります。

たとえば、家の中が極端に散らかり、衛生面に問題が出ている。

ゴミ屋敷のようになり、近所に迷惑がかかっている。

火災や転倒などの危険がある。

本人や家族だけでは、どうにもできなくなっている。

こうした場合は、早めに支援につなげることが大切です。

家族だけで抱え込むのではなく、自治体の相談窓口、福祉の窓口、地域包括支援センター、医療機関、発達障害者支援センターなど、状況に応じて相談先を考える必要があります。

「困っていないなら見守る」

「困っているなら支援につなげる」

このバランスが大切です。

地域の大人にできることは、診断することではなく見守ること

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「地域の大人にできることは、診断することではなく見守ること」の画像

地域の中で子どもや大人の気になる姿を見た時、私たちはつい、

「あの子は何かあるのでは」
「あの人は発達障害なのでは」
「親の育て方の問題では」

と考えてしまうことがあります。

でも、地域の大人に一番大切なのは、診断することではありません。

その人を責めることでもありません。

まずは、

「何に困っているのかな」
「どうしたら安心できるかな」
「何か手伝えることはあるかな」

と考えることです。

子どもが大きな声を出している。

順番を待てない。

急に泣き出す。

注意されると怒る。

あいさつをしない。

そんな姿があった時、すぐに「困った子」と決めつけるのではなく、

「困っている子」かもしれない

と見てみる。

この視点があるだけで、地域の空気は変わります。

子どもに伝わりやすい声かけ

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「子どもに伝わりやすい声かけ」の画像

地域の大人にできることは、決して難しいことではありません。

子どもに声をかける時は、

短く、やさしく、具体的に

が基本です。

たとえば、

「ちゃんとして」ではなく、
「ここに座ろう」

「静かにして」ではなく、
「小さい声で話そう」

「走らないで」ではなく、
「ここは歩こうね」

「危ない!」だけではなく、
「車が来るから、ここで止まろう」

このように、何をすればよいのかを具体的に伝えると、子どもは動きやすくなります。

子どもによっては、長い説明を聞くことが苦手な場合もあります。

だからこそ、言葉は短く。

そして、責めるよりも、次にどうすればよいかを伝える。

これだけでも、立派な支援です。

保護者を責めないことも、地域の大切な支援です

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「保護者を責めないことも、地域の大切な支援です」の画像

子どもが泣いたり、怒ったり、動き回ったりしている時、周りの大人は子どもに目が向きます。

でも、その時、一番苦しいのは保護者かもしれません。

「また迷惑をかけてしまった」

「周りからどう見られているだろう」

「自分の育て方が悪いと思われているかもしれない」

そう思いながら、必死に対応している方もいます。

そんな時に、

「大丈夫ですよ」

「ゆっくりでいいですよ」

「何か手伝えることはありますか」

「びっくりしましたね」

という一言があるだけで、保護者は少し安心できます。

反対に、冷たい視線やため息は、保護者をさらに追い詰めてしまいます。

子どもを支えるためには、保護者を孤立させないことも大切です。

地域の中に、責められない空気があること。

それは、子どもにとっても、保護者にとっても、大きな支えになります。

保護者と信頼関係を築く具体的な関わり方は、こちらの記事でも紹介しています。

「穏やかだから質問したくなる」と言っていただいて

ブログ「教員コンパス」地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「「穏やかだから質問したくなる」と言っていただいて」の画像

今回のお話会では、ありがたいことに、

「先生のお話は穏やかですね」

「穏やかだから質問したくなります」

と言っていただきました。

この言葉は、とても印象に残っています。

特別支援の話は、ともすると難しく聞こえてしまいます。

診断名。

障害名。

支援制度。

専門的な言葉。

そうしたものも、もちろん必要な場面があります。

でも、地域の中でまず大切なのは、難しい言葉をたくさん覚えることではないと思っています。

安心して聞けること。

質問しても責められないこと。

分からないことを「分からない」と言えること。

そこから、理解は広がっていきます。

特別支援の考え方は、専門家だけが知っていればよいものではありません。

地域の方、保護者の方、先生方、子どもに関わるすべての大人が、少しずつ知っていくことで、子どもたちは安心して育ちやすくなります。

地域の先生方にも届けたい話

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「地域の先生方にも届けたい話」の画像

お話会の後に、

「地域の先生たちにも、この話を聞かせてあげたらどうですか」

「地域の子どもたちに向けて、何かできることをしてほしいです」

という感想もいただきました。

とてもありがたい言葉でした。

特別支援は、特別支援学級だけの話ではありません。

通常学級にも、地域にも、家庭にも、発達に特性のある子どもや、支援を必要としている子どもはいます。

そして、診断名があるかどうかに関わらず、何かしらの苦手さや困りごとを抱えている子どももいます。

だからこそ、地域全体で、

「困った子」と決めつけるのではなく、
「困っている子かもしれない」と見る。

保護者を責めるのではなく、
「大変でしたね」と声をかける。

できないことを責めるのではなく、
「どうしたらできるかな」と一緒に考える。

そんな「まなざし」が広がるといいなと思っています。

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援のよくある質問

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援のよくある質問」の画像
地域のお話会や勉強会に参加したい場合は、どうすればよいですか?

地域向けのお話会、保護者向けの勉強会、先生方向けの研修などに関心のある方は、公式LINEよりお問い合わせください。

開催予定、参加方法、内容のご相談なども、公式LINEから受け付けています。

「地域のお話会に参加したいです」
「保護者向けの勉強会について知りたいです」
「研修をお願いしたいです」

など、ひと言送っていただければ大丈夫です。

障害と病気の違いは何ですか?

とても大切な質問です。

簡単に言うと、病気は「治療」や「回復」という視点で考えられることが多く、障害は「生活のしづらさに対して、どんな支援や環境調整が必要か」という視点で考えられることが多いです。

たとえば、風邪や胃腸炎のような病気は、薬を飲んだり、休んだりして、よくなることを目指します。

一方で、発達障害や知的障害などは、「治す」というよりも、その人の特性を理解しながら、生活しやすくするための支援を考えていくことが大切です。

ただし、障害と病気は、完全にきれいに分けられるものではありません。

たとえば、精神障害の中には、うつ病や統合失調症などの精神疾患と関係するものもあります。
厚生労働省も、精神障害について「精神疾患」とあわせて説明しています。


また、障害者基本法では、障害を「身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を含むもの」とし、本人の特性だけでなく、社会の中にある壁によって生活しづらさが生まれるという考え方も示されています。

つまり、地域で大切なのは、
「これは病気なのか、障害なのか」と決めつけることではありません。

それよりも、

「この人は何に困っているのかな」
「どんな関わり方だと安心できるかな」
「どんな環境なら生活しやすいかな」

と考えることです。

診断名をつけるのは医師の役割です。

私たち地域の大人や教員ができることは、その人の困りごとに気づき、必要な時に相談先や支援につなげることです。

研修・講演のご相談は、こちらもご覧ください。

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援のまとめ|地域で子どもを見守るために大切なこと

地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援の「地域で子どもを見守るために知っておきたい特別支援のまとめ|地域で子どもを見守るために大切なこと」の画像

地域で子どもを見守るために大切なのは、専門家になることではありません。

大切なのは、次の3つです。

1つ目は、診断名だけで人を見ないことです。

自閉症かどうか、ADHDかどうかを周りが簡単に判断することはできません。

診断は医師の役割です。

私たちにできるのは、その人が何に困っているのかを見て、必要な支援を考えることです。

2つ目は、白か黒かで考えすぎないことです。

多くの人には、何かしらの苦手さがあります。

人前で話すのが苦手な人。

片付けが苦手な人。

予定変更が苦手な人。

人付き合いが苦手な人。

そうした苦手さを、すぐに「問題」と決めつけるのではなく、その人が生活の中で困っているかどうかを見ていくことが大切です。

3つ目は、責めるより支えることです。

子どもを責めない。

保護者を責めない。

地域の中で、安心して相談できる空気をつくる。

それだけでも、子どもと家族にとっては大きな支えになります。

特別支援は、特別な誰かだけのものではありません。

子どもが安心して育つための、やさしいまなざしです。

地域にそのまなざしが増えることで、子どもも、保護者も、先生も、少し安心して過ごせるようになります。

特別支援学級教員コーチのぷーたの公式LINE登録方法
特別支援学級教員コーチのぷーたの公式LINE登録方法

公式LINEのQRコード

\ 無料で /

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次