特別支援学級の対象・基準・判定など在籍までの流れ

「教員のための幸せへのロードマップ」で特別支援学級のことを詳しく解説しています。

あまりよく知られていない特別支援学級。小学校では、〇〇学級(花、鳥の名前など)や〇〇組さんなどと呼ばれていますが、どんな児童が対象となるのでしょうか。また、どのような手続きを行なって、特別支援学級に入るのでしょうか。この記事では、管理職や通常学級の担任もよく知らない「特別支援学級に入るまで」の全てを専門用語を使わずに、わかりやすく解説していきます。いつどんな時に保護者に聞かれても対応できるように、しっかり学んでいきましょう。

こんな人におすすめ記事です。

・特別支援学級に入るまでどんな手続きをするか知りたい

・子供が特別支援学級に入るまでの手続きが気になっている

・特別支援学級の審議、判定の調査をすることになった

各自治体によって異なることがあります。

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目次

対象の子供

特別支援学級の対象は、以下の8つの障害の子供です。

弱視、難聴、知的、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語、情緒、自閉症

この記事では、主に知的障害の固定の学級についてお伝えします。情緒、視覚、聴覚などと、知的障害が重なる重複障害の場合は「知的障害が優先」されます。

特別支援学級に在籍するまで

入学後の1年生が学校探検をした時に、「どうしたら〇〇学級に入れるの」とよく質問されます。通常学級の担任も正確には知らない方が多いのですが、私の自治体では以下の手順で行われます。

①保護者が教育センターに相談依頼する

→教育センターで相談の結果、保護者が特別支援学級を希望する

②保護者が教育支援委員会での審議の依頼をする

③教育委員会が教育支援委員会の調査員を派遣依頼して担当の調査員が該当の子供の調査をする

④保護者が指定された児童精神科に子供を連れて行き診察を受ける

⑤保護者が教育センターに面談の予約を取り、子供は知能検査を受け、保護者は面談する

⑥教育支援委員会が開かれ審議をする

⑦「知的の特別支援学級が適切である」という判定を受ける

⑧地域の特別支援学級に入る

あくまでも「保護者の希望が優先される」ことがポイントです。調査員をしていた時に担当者から「8人の小集団にいて教師の指示が理解できること」を念頭に調査するよう言われていました。小集団で指示理解が難しいと個別対応をする必要があり、「特別支援学校が適切である」と判定されます。ですが、先ほどの通り「保護者の希望が優先される」ため重度重複の子供も入ってきます。

「保護者の希望が優先」と言っても

「保護者の希望が優先」と「子供の実態」、この2つが噛み合わないことがあります。その場合は保護者の希望が優先されるため、現場は大変です。私は入学前の面談で保護者に「特別支援学級は常時個別の対応はできません。あくまで小集団の学級です」とお伝えしてきました。出来るだけこの場に、管理職や特別支援コーディネーターなど担任外の教員も同席してもらいましょう。

ぷーた先生

小集団と言っても、最大8人の集団なんです。普通の家族より人数は多いんですよ〜!!

1年生は、実態がまだ分からないところが多いので、特別支援学級でもいろいろな経験を積むのは良いと思いますが、「学習の保障」という面では難しいと思っています。

過去に「重度知的障害で自閉重複障害もあり常時見守りが必要」という児童Aくんが在籍してた時に、全面保護者の付き添いをお願いしました。基本的にどの新1年生にもしばらく付き添いをお願いし、大丈夫な子供は付き添いを「徐々になし」にしていきました。もちろんお仕事の関係など家庭の事情は考慮しますが、安全を確保することを優先すると、教員がつきっきりになる必要があり他の児童の指導ができなくなります。

この辺りは非常にデリケートなことであり、児童の実態や学校の様子、管理職の考えもあるため、慎重な対応が必要になります。他の保護者の目も気になりますが、事例を通した方が分かりやすいためAくん(仮名)の事例で詳細をお伝えしたいと思います。

ぷーた先生

20年近く前、合理的配慮がまだない時代です。今はここまで保護者にお願いできないと思います。

4月入学式では体育館を走り回る。

他の1年生はすぐに昇降口から1人で教室に入ることができたため、すぐに保護者付き添いはなしに。

Aくん新しい場所は不安。毎日情緒不安定になり教室から出ることがある。食事、トイレなど常時介助が必要。

母にできるだけ付き添いをお願いした。その際、他の児童の学習面について口外しないようお願いする。

1学期間終えて母より「体調が悪い」とのこと。付き添いを体育と校外に出る時のみにする。

学習は1人でできる課題とみんなができそうなことのみにする。

Aくんその他の1年生
入学式
昇降口から教室まで
身辺面
学習

自立活動・体育

校外学習
走り回る
目に入った方へ行く
食事、トイレなど常時介助
型はめ、なぐり書き
具体物のマッチングなど
1人で印の場所に立てない
模倣できない
母と一緒に
他の児童と一緒にいられる
1人で行く
1人でできる
自分の名前が分かる
文字の視写ができる
高学年を模倣して体操する

他の児童とグループで行動する

目に入ったものやことに気を取られやすく、どこに行くか分からなかったため、支援員さんが付き添っていました。給食も付きっきりとなるため、支援員さんは別の時間に給食をとってもらいました。Aくん自身学校に慣れてきたところはありましたが、2学期からは支援学校の見学を勧め、3学期にはお母さんが3月で転校することを決断しました。

Aくんのケースは支援員さんがついてくれたことで、保護者の付き添いをなしにすることができました。当時7人の児童で他に身辺の介助が必要な児童Bくんもいたため、Aくんのお母さんとしては「Bくんもいるのに・・・」と思われていたことと思います。が、Bくんは模倣ができて、好きな題材を使った学習なら参加できます。

調査をしているとき、「粗大な模倣ができる」ことも判定材料にしていました。

まとめ

私なりに特別支援学級に在籍するには、「集団参加」と「模倣」がポイントだと思います。

Aくんのケースは1例ですが、もしこの場合はどうなの?

「個別にもっと詳しく知りたい」という方はどうぞご相談ください。

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