特別支援学級で以下の教科の違いや評価方法に悩んでいませんか。
・生活単元
・自立活動
・日常生活の指導
・生活(特別支援学校1〜6年)
・生活科(通常の学級の1、2年)
・総合的な学習の時間
特別支援学級での教育は、多様なニーズを持つ子どもたちに対して、個別に配慮した指導が求められます。この記事では、「生活単元学習」「自立活動」「日常生活の指導」「生活(特別支援学校1〜6年)」「生活(通常の学級の1、2年)」「総合的な学習の時間」に関する具体的な目標や評価方法について詳しく解説します。この記事を読むことで、以下のようなことがわかります。
この記事を読むことで得られること
- 各教科領域の具体的な目標とその違いが明確になります。
- それぞれの領域でどのように子どもたちを評価すればよいかがわかります。
- 効果的な指導と評価を通じて、子どもたちの成長をどのように促進するかについて理解が深まります。
【初任者必見】特別支援学級の通知表:教科領域別の対策法
特別支援学級の通知表作成は、特に初任者にとって大きな挑戦です。子供一人ひとりの個性やニーズに応じた評価を行うためには、単に成績をつけるだけではなく、各教科領域での子供の成長や成果を正確に反映させることが求められます。以下に、特別支援学級の通知表作成における教科領域別の対策法をプロの目線で解説します。
重要なポイント
- 個別の教育計画(IEP)に基づく評価
- 具体的な観察記録の活用
- 保護者とのコミュニケーション
- 子供の自己評価を取り入れる
1. 個別の教育計画(IEP)に基づく評価
特別支援学級では、個別の教育計画(IEP)が重要な役割を果たします。各子供の目標や達成すべき課題が明確に記載されているため、通知表の評価もこれに基づいて行います。IEPを参考にすることで、子供の進捗を具体的に評価できるだけでなく、次の学期に向けた新たな目標設定もスムーズに行えます。
2. 具体的な観察記録の活用
日々の授業や活動を通じて、子供の行動や学習態度を詳細に記録しておくことが重要です。例えば、算数の授業での問題解決能力や、国語の授業での読解力など、具体的な場面ごとの観察記録を積み重ねることで、通知表作成時に正確な評価が可能になります。これらの記録は、教科ごとの強みや課題を把握するための貴重な資料となります。
3. 保護者とのコミュニケーション
保護者との定期的なコミュニケーションも大切です。家庭での様子や保護者の意見を取り入れることで、学校での観察と家庭での状況を総合的に判断することができます。また、通知表の内容を共有し、保護者からのフィードバックを受けることで、より包括的な評価が可能になります。
4. 子供の自己評価を取り入れる
子供自身の自己評価を通知表に反映させることで、自己理解を深め、学習へのモチベーションを高める効果があります。簡単なアンケート形式で、子供が自身の学習や行動について振り返る機会を設けると良いでしょう。この自己評価は、教師による評価と合わせて総合的な評価の一部として活用します。
教科別の対策法
- 国語:読解力や表現力の向上を目指し、具体的なエピソードや作文の例を観察記録に残します。
- 算数:問題解決能力や計算力の評価は、日々のワークシートや授業内での取り組みを記録します。
- 生活科:社会性や自己管理能力を評価するため、授業や学校行事での行動を観察します。
- 音楽・図工:創造力や協調性を重視し、作品や合奏の取り組みを評価します。
特別支援学級の通知表作成は、子供の成長を促す重要な役割を担っています。適切な評価を行うことで、子供たちの自信を育み、さらなる成長をサポートしましょう。
各教科・領域の違い
もう一度見てみましょう。
・生活単元
・自立活動
・日常生活の指導
・生活(特別支援学校1〜6)
・生活科(通常の学級の1、2年)
・総合的な学習の時間
ややこしいので表にまとめました。
以下に、各教科領域の目標、評価方法、引用、リンクを表でまとめます。根拠となる部分は引用で表記しています。
教科領域 | 目標 | 評価方法 | 引用 | リンク |
---|---|---|---|---|
総合的な学習の時間 | 探究活動や体験学習を通じて、自主的な学習態度や問題解決能力を育てる | 学習過程での意欲や協力姿勢、探究の深さ、発表やまとめの質などを総合的に評価 | 「総合的な学習の時間は、探究的な学習を重視し、教科横断的な学びを促進します。」 | 【総合的な学習の時間編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 |
生活単元 | 日常生活に必要な技能や知識を習得し、自立した生活を目指す | 実生活での行動や取り組みを観察・記録し、技能の習得状況を評価 | 「生活単元は、日常生活に必要なスキルや知識の習得を目指します。」 | 特別支援教育学習指導要領解説 各教科等編P40 |
自立活動 | 個々の幼児児童生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う。 | 個別の指導計画に基づく目標に対する進捗状況を観察・記録し、成長や課題を評価 | 「自立活動は、個別のニーズに応じた支援を行い、身体機能の改善やコミュニケーション能力の向上を図ります。」 | 特別支援学校学習指導要領解説 自立活動編 |
日常生活の指導 | 日常生活に必要な基本的な技能や態度の習得を目指す | 実生活での行動や取り組みを観察・記録し、技能や社会適応力を評価 | 「日常生活の指導は、基本的な生活技能や社会適応力の向上を目指します。」 | 特別支援教育学習指導要領解説 各教科等編(文部科学省)P39 |
生活(特別支援学校1〜6) | 具体的な活動や体験を通して,生活に関わる見方・考え方を生かし,自立し生活を豊かにしていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す | 学年ごとの目標に対する達成度を基に評価 | 「生活の授業は、学年に応じた生活技能や社会性の向上を目指します。」 | 特別支援教育学習指導要領解説 各教科等編P48 |
生活科(通常の学級の1、2年) | 学校生活や家庭生活に必要な基本的な技能や態度を育むことを目的とする | 協力的な態度や生活習慣の定着状況を観察・記録し、自己評価や保護者との連携も重視 | 「生活の授業は、基本的な生活技能や態度の育成を重視します。」 | 【生活編】小学校学習指導要領(平成29年告示)P14解説 |
この表は各教科領域の目標、評価方法、および根拠となる内容とリンクをまとめたものです。
自立活動について
自立活動については特に質問が多かったので、内容を表にまとめました。
区分 | 内容 |
---|---|
1. 健康の保持 | (1)生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。 |
(2)病気の状態の理解と生活管理に関すること。 | |
(3)身体各部の状態の理解と養護に関すること。 | |
(4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。 | |
(5)健康状態の維持・改善に関すること。 | |
2. 心理的な安定 | (1)情緒の安定に関すること。 |
(2)状況の理解と変化への対応に関すること。 | |
(3)障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること。 | |
3. 人間関係の形成 | (1)他者とのかかわりの基礎に関すること。 |
(2)他者の意図や感情の理解に関すること。 | |
(3)自己の理解と行動の調整に関すること。 | |
(4)集団への参加の基礎に関すること。 | |
4. 環境の把握 | (1)保有する感覚の活用に関すること。 |
(2)感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること。 | |
(3)感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。 | |
(4)感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じた行動に関すること。 | |
(5)認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。 | |
5. 身体の動き | (1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。 |
(2)姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。 | |
(3)日常生活に必要な基本動作に関すること。 | |
(4)身体の移動能力に関すること。 | |
(5)作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。 | |
6. コミュニケーション | (1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること。 |
(2)言語の受容と表出に関すること。 | |
(3)言語の形成と活用に関すること。 | |
(4)コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。 | |
(5)状況に応じたコミュニケーションに関すること。 |
この表は、各項目とその詳細な内容をコンパクトにまとめたものです。特別支援学級の指導や評価に役立ててください。
詳細は特別支援学校学習指導要領解説 自立活動編をお読みください。
そうは言ってもよくわからないと思います。私なりに例を出してお伝えします。
各教科領域に関する指導事例
あくまでも例です。各学校の実態に合わせてください。
・生活単元:ドラえもんワールド、特別支援学級合同運動会、合同音楽会、合同校外学習
・自立活動:体操、ビジョントレーニング、ソーシャルストーリー、ソーシャル・スキル・トレーニング
・日常生活の指導:手洗い、うがい、身支度、給食、掃除
・生活(特別支援学校1〜6):日常生活の指導+生活科
・生活科(通常の学級の1、2年):あさがお観察、町探検、理科社会の基礎的な内容
・総合的な学習の時間:交流及び共同学習の校外学習、通常学級と一緒の学校行事(運動会、音楽会)
ややこしさを解決するには自分なりの整理の仕方を決めておくことです。
私の場合は
・合わせた指導の中で、交流及び共同学習が関係するものは「総合的な学習の時間」
・特別支援学級独自のものは「生活単元学習」
・授業の時間外のもの「日常生活の指導」
・生活は1、2年のみ、特別支援学校の生活は評価しない。
・自立活動はその年の子供の実態によって必要なことをする。
といった整理です。
【初任者必見】特別支援学級の通知表:教科領域別の対策法のQ &A
- 自立活動の評価で重視される点は何ですか?
-
重視されるのは、設定された個別の目標に対する進捗状況です。具体的な技能の習得や行動の改善、コミュニケーション能力の向上などが評価されます。
- 日常生活の指導の評価において、家庭との連携はどのように行われますか?
-
家庭との連携は、評価結果を保護者と共有し、家庭での取り組みや支援を調整することで行われます。定期的な面談や連絡帳の活用が一般的です。
- 特別支援学校の生活の評価で重視されるポイントは何ですか?
-
評価で重視されるのは、学年ごとに設定された生活技能や社会性の向上です。例えば、低学年では基本的な生活技能、高学年では社会参加や職業準備が評価されます。
- どのようなツールを使って総合的な学習の時間の評価を行いますか?
-
評価には、観察記録表やプロジェクトの進行管理シート、発表のチェックリストなどを使用します。また、自己評価シートや相互評価シートも活用します。
【初任者必見】特別支援学級の通知表:教科領域別の対策法のまとめ
特別支援学級の通知表作成は、特に初任者にとって大きな挑戦です。子供一人ひとりの個性やニーズに応じた評価を行うためには、単に成績をつけるだけではなく、各教科領域での子供の成長や成果を正確に反映させることが求められます。
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