生活単元学習のネタに困ったら|特別支援学級で評価しやすい単元の選び方

特別支援学級の生活単元学習で、プランターの野菜や花に水やりをする子どもたち

来月の生活単元学習、何をしよう。

そう考えはじめて、すぐに手が止まる。

「これ、評価できるかな」

私も、ずっとそうでした。

目次

ネタは「面白いか」ではなく「評価しやすいか」で選ぶ

生活単元学習のネタは面白さより評価しやすいかで選ぶ

生活単元学習のネタを探していると、楽しそうな活動はいくらでも見つかります。

でも、いざやってみると困ることがあります。

  • 交流及び共同学習に行っていて、その時間にいなかった子がいる
  • 行事が入って、予定していた時間が飛んだ
  • 全員が同じことをしたはずなのに、書ける所見が思いつかない

活動を決めてから評価を考えると、こうなります。

順番を逆にするだけで、ずいぶん楽になります。ネタは「面白いか」ではなく「評価しやすいか」で選ぶということです。

評価しやすい単元の組み方5つ

① 栽培系|同じ活動でも、素材を変える

栽培は同じ場所で学年ごとに育てる素材を変える

いちばんよくあるのが栽培です。

ただ、低学年から高学年まで全員が同じ生活単元学習をするとなると、悩みます。

そこで私は、同じ場所で、学年ごとに素材を変えるやり方をしていました。

学年育てるもの
1年朝顔
2年ミニトマト
3年ホウセンカ
4年ゴーヤ

やっていることは同じです。植える、水をやる、観察する、収穫する。

でも素材が違うので、生活科として扱うことも、理科として扱うことも、生活単元学習として扱うこともできます。

こうやって幅を持たせておくと、評価のときにネタで困りません。

同じ「水やりをした」という事実でも、生活科なら「植物の変化に気づく」、理科なら「成長の記録をとる」と、書く先が変わります。

② 全員で同じ教材をやる場合|「〇〇を作ろう」でまとめる

学年で分けずに、全員で同じものをやるやり方もあります。

そのときは、単元の名前を出口で決めるとまとまります。たとえば「野菜チップスを作ろう」。

いろいろな野菜を育てて、最後にチップスにする。育てる野菜は違っても、単元は1つです。

ほかにも、こんな形にできます。

  • 枝豆を作ろう … 収穫して、茹でて、みんなで食べる
  • とうもろこしを育てよう
  • 落花生を育てよう

落花生は、観察の教材になる

落花生の花のあとが土にもぐり、土の中に実ができる様子

⚠️ 落花生が育つかどうかは地域によります。関東であれば育てやすいと思いますが、寒い地域では難しいかもしれません。まずはお住まいの地域で作られているかどうかを、直売所や農家の方に聞いてみてください。

そのうえでお話しすると、落花生は観察の教材としてとても面白いです。

花が落ちた場所に根を張って、そこに実がつきます。「落花生」という漢字のとおりです。

土の中にできることは知っていても、花が落ちてそこから実になるという順番を見たことがある子は、ほとんどいません。

そして、収穫したあとが特別です。

採れたての落花生は、殻ごと塩茹でにして食べられます。

  • 沸騰したお湯で、30分ほどぐつぐつ煮る
  • 塩は、しっかり塩味がつく量を入れる
  • 茹で上がったら、殻から出して中身を食べる

栗のような、ほくほくしたお芋のような、甘くておいしいものになります。

※この茹で方は、地元の農家の方に教えていただいたものです。

市販の落花生は、火が入った状態で売られています。生の落花生は、一般には手に入りません。

しかも、採れたてでないとこの食べ方はできません。日持ちがしないからです。

つまり、農家の方や直売所で買うか、自分で育てるかしかない味です。

いつも食べている落花生と同じものだと、子どもは気づかないかもしれません。その驚きごと、授業になります。

③ 一つにまとめるか、分けるか|判断のポイント

単元を一つにまとめるか学年で分けるかの判断

②のように全員で1つの単元にするか、①のように学年で分けるか。

判断の分かれ目は、交流及び共同学習に行く子が何人いるかです。

交流及び共同学習に行く子が多い場合

全体でやっている単元に対して評価する形にします。

その子が全部の時間に参加できなくても、

  • 水やりをした
  • 収穫をした
  • 調理をした

という部分で評価ができます。「この単元に、この子はここで関わった」と言える形にしておくということです。

交流及び共同学習に行く子が少ない場合

自由度が高くなります。みんながそろっているので、生活科も理科も生活単元学習も組み合わせられます。

⚠️ これは年によって変わります。去年うまくいった形が、今年も合うとはかぎりません。4月にその年のメンバーを見てから決めることをおすすめします。

④ 行事と絡める|目標の切り方で、評価しやすさが変わる

行事と生活単元学習を絡めるときの目標の切り方

行事と生活単元学習を絡めるのも、よくやる方法です。

ただ、目標の書き方で難しさがまったく変わります。

✕ 運動会を成功させよう

これは評価できません。「成功」の定義が必要になってしまうからです。

何をもって成功とするのか。勝つことか、最後まで参加することか、笑顔でいることか。ここが決まらないと、所見が書けません。

○ 運動会の応援をしよう

  • 応援の歌を覚えた
  • 振りを覚えた
  • 声を出して応援した

見て分かることが、そのまま評価になります。

⚠️ ちなみに「応援を頑張ろう」だと、また「頑張る」の定義が要ります。動詞は、外から見て分かるものを選んでください。

⑤ 校外学習|ほかの教科と兼ねる

校外学習をほかの教科と兼ねる組み方

校外学習は、生活単元学習だけで抱えなくてよいと思っています。私は、こう組んでいました。

  • 高学年 … 総合・社会・理科と兼ねる
  • 低学年 … 生活科・学級活動と兼ねる。生活単元学習も入れる

1回の校外学習を複数の教科で扱えば、それぞれの教科で書ける所見が増えます。

正直に言うと、私も評価に困ったことがあります

評価の記録用紙を前に考えこむ特別支援学級の先生

ここまで「評価から考える」と書いてきましたが、私自身、いつもできていたわけではありません。

いちばん困ったのは、交流及び共同学習に行っていて、その時間にいなかった子の評価です。

週に何時間、生活単元学習を取るか決めていても、行事が入る。交流に行く。残っている子は活動できるけれど、その子の記録が残らない。

気づいたときには、書けることがない。

毎日ばたばたしているので、そこまで先回りできないことのほうが多かったです。

それでも、交流には行かせたほうがいいと思っています

誤解しないでいただきたいのですが、「評価しづらいから交流を減らす」ではありません。

交流及び共同学習は、最優先で行かせたほうがいいと思っています。

理由は、交流の環境は、特別支援学級の中では作れないからです。

30人の集団で学ぶという経験を、支援学級で似たようにやることは不可能です。人数が違うのだから、当たり前です。

だから、支援学級にいるだけではなく、行ける子はどんどん行くほうがいい。私はそう考えています。

大事なのは、行かせるかどうかではなく、行っていても評価できる形にしておくことです。

⚠️ ただし、ここは一概には言えません。保護者の考え、本人が行きたいか行きたくないか、交流先の雰囲気、子どもたちの様子、担任の先生の対応。そのときの状況で変わります。

明日からできる一歩

明日からできる一歩、紙に3つだけ書き出す

いま考えている単元を1つ選んで、紙に3つだけ書き出してみてください。

  1. 誰を評価するか(交流及び共同学習に行く子は誰か)
  2. いつ見るか(その子がいる時間はどこか)
  3. 何を見て評価するか(水やり・収穫・調理など、目に見える行動)

これが書ければ、その単元は成立します。

書けなければ、活動が悪いのではなく、切り方が細かくないだけです。「運動会を成功させよう」を「応援をしよう」にしたときと、同じことをすれば大丈夫です。

生活単元学習のネタのQA

生活単元学習のネタについて担任からよくある質問
学年がバラバラでも、同じ単元でいいですか。

大丈夫です。同じ活動でも、学年ごとに素材を変えれば、生活科・理科・生活単元学習に振り分けられます。「同じことをしている」ことと「同じ評価をする」ことは別です。

交流及び共同学習に行く子の評価は、どうすればいいですか。

全体でやっている単元に対して、その子が関われた部分で評価します。水やり・収穫・調理など、目に見える行動で切っておくと書けます。

行事を単元にすると、評価しづらくありませんか。

目標の書き方の問題です。「運動会を成功させよう」は評価できませんが、「運動会の応援をしよう」なら、歌を覚えた・振りを覚えたで評価できます。外から見て分かる動詞を選んでください。

落花生は、どこでも育てられますか。

地域によります。関東であれば育てやすいと思いますが、寒い地域では難しいかもしれません。お住まいの地域で作られているかどうか、直売所や農家の方に聞いてみてください。茹で方も、そこで教えていただけると思います。

生活単元学習のネタのまとめ

生活単元学習のネタ選びのまとめ、順番を入れ替えるだけ

来月の生活単元学習を考えるとき、まず「これは評価できるかな」と自分に聞いてみてください。面白そうな活動から選ぶと、あとで所見が書けなくて困ります。順番を入れ替えるだけで、ずいぶん楽になります。

栽培なら、学年ごとに素材を変えるだけで評価の幅が広がります。1年生は朝顔、2年生はミニトマト、3年生はホウセンカ、4年生はゴーヤ。やっていることは同じでも、生活科にも理科にも生活単元学習にもできます。全員で同じ教材にするなら、「野菜チップスを作ろう」のように出口で名前をつけてしまう。落花生を育てるなら、採れたてを30分ほど塩茹でにして、ぜひ食べてみてください。買っては手に入らない味です。

行事と絡めるときは、「運動会を成功させよう」ではなく「運動会の応援をしよう」。外から見て分かる言葉で目標を書けば、そのまま評価になります。

そして、交流及び共同学習に行く子が多い年は、全体の単元に対して部分で関われる形にしておく。行かせるかどうかで悩まなくていいと私は思っています。行かせたほうがいい。ただ、行っていても評価できる形にしておく。それが担任にできる準備です。

来月の単元、ひとつだけ選んで、3つ書き出すところから始めてみてください。

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