特別支援学級の担任向けのコーチング講座で受講生の皆さんからご相談を受けています。その際に、6年生の進路について保護者の方からよくいただくご相談でどう答えるかというお悩みがあります。
それは…
「中学校の特別支援学級に進むか、特別支援学校中学部を選ぶか、どちらがこの子に合っているのか分からないんです。」
という声です。
どちらの進路も見学を通してじっくり考えてもらうことが大切ですが、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そして保護者の方へのお話のしかたについて、詳しくご紹介したいと思います。
中学校の特別支援学級 〜地域でのつながりを大切に〜

「小集団での指示が理解できる」「地域でのつながりを大切にしたい」という子供に適切です。
◉ こんなお子さんにおすすめ
- 地元の中学校に通いたい気持ちがある
- 支援があれば集団活動も可能
- 学習にも前向きに取り組める
- 地域との関わりを継続したい
◉ メリット
- 地元の友達とのつながりが保てる
- 通常学級との交流活動がある
- 高校進学など進路の選択肢が多い
◉ 気をつけたいポイント
- 教科担任制により先生が複数になるため、人の変化に弱い子には負担になることも
- 学校によって支援体制や専門性に差があるため、事前の見学が重要です
◉ 保護者の方へお伝えしたいこと
「“地域の中で生きていく力”を育てていきたい方には、とても良い選択肢です。けれど、人や環境の変化が苦手なお子さんには慎重に見極める必要があります。見学のときには、“どの先生が関わるのか”“教室の雰囲気”“子どもたちの表情”をじっくり見ていただきたいです。」
特別支援学校 中学部 〜その子のペースでじっくり育つ環境〜

「個別の指導での指示が必要」「その子のペースでじっくり育てたい」という子供に適切です。
◉ こんなお子さんにおすすめ
- 生活や身辺自立にまだ支援が必要
- 刺激に敏感で大人数が苦手
- ゆっくりと自分のペースで過ごしたい
- 将来は福祉的な進路も視野に入れている
◉ メリット
- 少人数で手厚い支援がある
- 授業も個々の発達に合わせて進めてくれる
- 高等部や作業所など、卒業後の進路が見通しやすい
◉ 気をつけたいポイント
- 通学に距離がある場合、送迎の負担がある
- 地元の子どもとの関係は薄くなる場合もある
◉ 保護者の方へお伝えしたいこと
「一人ひとりの『生活力』を大切に育てる場所です。大きな集団では見落とされがちな個々の困りごとにも丁寧に対応してくれます。見学の際は、先生方の対応の仕方や教室の落ち着き具合に注目していただけると、その子が“安心して過ごせる場所か”が見えてくると思います。」
迷ったときに大切にしたい視点

進路に迷うのは、保護者の皆さんがお子さんのことを大切に思っているからこそ。そして、答えは一つではありません。
私が大切にしている問いかけがあります。
「この場所で、この子は安心して毎日笑顔で通えるだろうか?」
「がんばればなんとかなる」よりも、「無理なく、その子らしく過ごせる場所」であることが大事です。
【進路相談】特別支援学級担任が知っておきたい中学進学説明のコツと資料テンプレートのまとめ

学校でも、就学相談や進路会議などを通して保護者の皆さんと一緒に考えていく体制があります。「一人で抱え込まず、迷いも含めて一緒に話しましょうね」と伝えていただけたら、それだけでも保護者の方は安心できると思います。
もし、この内容を学級だよりや個人面談の資料として使いたい場合は、短くまとめたバージョンもご用意できますので、気軽にお声がけくださいね🌷
ご相談やご質問があれば、いつでもお知らせください。進路は“ゴール”ではなく、“その子の未来のスタート”です。私たちが寄り添うことで、その一歩が安心して踏み出せるようになりますように。

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