支援学級の担任になって、最初の数年間。
子どもが暴れるたびに、「自分の指導が悪いのかな」と思っていた。
立ち歩く子がいると、「なんで座ってないんだろう」と焦った。
指示が全然通らないと、「自分には向いていないのかも」と落ち込んだ。
あなたも、そんなふうに感じたことはありませんか?
問題行動のたびに、自分を責めていませんか

先日、特別支援学級の先生にアンケートを取りました。
「今、一番困っていることは何ですか?」
集まった回答は、4つのカテゴリーに分かれていました。
- 怒る・泣く・固まる 35件
- 立ち歩き・離席 29件
- 指示が通らない 29件
- 書かない・やらない 27件
この数字を見て、私はまず思ったんです。
「みんな、同じことで悩んでいる」と。
そして、「それって、自分のせいだと思っていませんか」と。
アンケートに答えてくれた先生の多くが、
悩みに向き合いながら、
毎日教室に立ち続けている。
そのことが、数字の向こう側から伝わってきました。
こんなふうに変われる

まず、
この記事を読み終わったとき、
子どもの行動が変わるかどうかではなく、
「自分の見方が変わった」そう感じてもらえると思います。
見方が変わった瞬間から、関わり方がスッと楽になる。
そういう先生を、私はこの22年でたくさん見てきました。
「また〇〇してる」の裏側

問題行動って、突然起きるように見えますよね。
でも本当は、ちゃんと理由がある。
怒る、泣く、固まるのは「感情の調整がまだうまくできない」サイン。
立ち歩くのは「今の活動が体に合っていない」サイン。
指示が通らないのは「指示の形が子どもに届いていない」サイン。
書かないのは「不安が強すぎて、動けない」サイン。
問題を起こしたくて起こしている子どもは、ほとんどいない。
困っているから、体が動いてしまう。それが、問題行動の正体です。
「この子はなんでこんなことするんだろう」ではなく、「この子は今、何に困っているんだろう」
この一言を変えるだけで、見えてくるものがガラッと変わります。
担任のせいじゃない。でも、担任にできることがある

厳しくしてもダメ。
褒めてもダメ。
声かけを変えてもダメ。
そういう子が、特別支援学級には必ずいます。
私も経験しました。どんな声かけをしても、全く鉛筆を持とうとしない子がいて。
「どうしたらいいんだろう」と、正直途方に暮れていました。
ある日、ふと試してみたのが「泣き落とし作戦」です。
「〇〇くんが勉強してくれないよ〜、先生悲しいよ〜」
半分やけくそで言ったその一言。
そしたらその子が、すっと鉛筆を持って、
「先生、ぼくやってるよ。お勉強するよ」
と言ったんです。拍子抜けするほど、あっさりと。
厳しさでも、褒め言葉でもなく、「先生の気持ち」が届いたのかもしれない。
教育に正解はないって、あの日改めて思いました。でも同時に、「試し続けること」そのものが答えなのかもしれない、とも感じた。
一つがうまくいかなくても、それは失敗じゃなくて「この方法は違った」というデータ。
次の方法を探す材料になるだけです。
子どものSOSに気づく3つの視点

具体的に、何を見ればいいのか。私が現場で意識してきた3つを紹介します。
① 「いつ」起きているかを見る
問題行動には、タイミングがあります。
「国語の時間だけ荒れる」「給食の前になると立ち歩く」「月曜日の朝だけ固まる」
こういうパターンに気づくと、原因が見えてくる。「国語の時間に荒れる」なら、読むことや書くことへの不安が強いのかもしれない。パターンがわかれば、対策が立てやすくなります。
② 「何の前後」かを見る
何かをされた後に怒る子は、刺激に敏感なのかもしれない。指示の後に固まる子は、見通しが持てていないのかもしれない。
「行動の前に何があったか、後に何があったか」
それだけ意識するだけで、ずいぶん違います。難しく考えなくていい。「〇〇したら、〇〇した」という記録を残すだけでいい。
③ 「この子は今、何に困っているか」を考える
「なんでこんなことするんだろう」という視点は、どうしても「責める」方向に向かいます。「この子は今、何に困っているんだろう」に変えるだけで、見えてくるものが全然違います。
子どもを理解しようとする気持ちが、関わり方をやさしくしていく。
特別支援学級の問題行動は「子どものSOS」|他害やパニックへの対応を元教員が解説のQA

- 何度言っても指示が通りません。どうすればいいですか?
-
言葉だけで伝えようとしていませんか。視覚的に示す(絵カード、ホワイトボード)、短い言葉にする、一つずつ伝えるなど、「届け方」を変えてみてください。
- 同じクラスの他の子への影響が気になります。
-
問題行動が起きたとき、他の子への声かけをあらかじめ決めておくと楽になります。「〇〇ちゃんは今、ちょっと困ってるんだよ。そっとしておこうね」その一言で、クラス全体が落ち着くことがあります。
- 自分のせいだと思ってしまいます。
-
それは、あなたが本気で向き合っている証拠です。でも、担任のせいではありません。試行錯誤を続けること自体が、子どもへの最大の支援です。
- 保護者にどう伝えればいいかわかりません。
-
事実だけを丁寧に伝えれば大丈夫です。「〇〇のとき、こんなことがありました。こういう対応をしてみています」その報告だけで、保護者との信頼関係は着実に育ちます。
特別支援学級の問題行動は「子どものSOS」|他害やパニックへの対応を元教員が解説のまとめ

問題行動は、子どものSOSです。
「どうして」と思う前に、「この子は今、何に困っているんだろう」と考えてみてください。
正解はないけれど、試し続けることで必ず糸口は見つかります。
あなたが自分を責める必要は、ない。試行錯誤しながら子どもと向き合っていること、それ自体が支援です。
あなたの関わりは、ちゃんと子どもに届いています。





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