「特別支援学級の国語」文字の読み書きに入る前に育てたい力と教材例

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文字が読めない・書けない…その前に見るべき力とは?

「もう〇歳なのに、まだ文字が読めない」「ひらがなが書けなくて心配」

子供の文字学習について、そんな不安を抱えていませんか?

「まだ読めないから」「文字が書けないから」と焦る気持ちもよくわかります。周りの子供と比べて、つい心配になってしまいますよね。

でも、実は読み書きには「準備段階」がとても大切なんです。文字を覚える前に、まず育てておきたい力があります。

特別支援の現場では、「文字が覚えられない」「書けない」というお悩みをよく耳にします。そんなとき、文字練習を繰り返すのではなく、その土台となる力に目を向けることで、スムーズに次のステップに進めることが多いのです。

今日は、読み書きの前に育てたい大切な力と、その順番についてお話しします

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目次

読み書きの前に育てたい7つの力

読み書きの前に育てたい7つの力の画像

読み書きは一朝一夕に身につくものではありません。段階を踏んで、確実に土台を築いていくことが大切です。以下の7つの力を順番に育てていきましょう。

① 聞く力・見る力を育てる

音や視覚に注意を向ける力は、すべての学びの土台になります。

「聞く力」とは、単に音が聞こえることではありません。話している人の方を向く、最後まで聞く、大切な部分に注意を向けるといった力のことです。「見る力」についても同様で、必要な情報に目を向け、集中して見続ける力が重要です。

この力が育っていないと、文字を教えても「見ていない」「聞いていない」状態になってしまいます。まずは、好きな音楽を一緒に聞いたり、絵本を見たりしながら、注意を向ける経験を積み重ねましょう。

② まねする力(模倣)

音や動作をまねできることが、ことばや動きの学習につながります

「バイバイ」の手振りをまねする、「あー」という声をまねする、簡単な動作をまねするなど、模倣は学習の基本中の基本です。文字を書くときの手の動きも、最初は先生や保護者の動きをまねることから始まります。

手遊び歌や体操、楽器遊びなどを通して、楽しみながら模倣の力を育てていきましょう。「上手にまねできたね!」と認めてもらえる経験が、次への意欲につながります。

③ 言葉の理解を広げる

身近な名詞や動作の理解が、指示理解ややりとりの基礎になります。

「りんご」「くるま」「たべる」「あける」など、日常生活でよく使う言葉の理解を広げることが大切です。言葉の意味がわからないまま文字を覚えても、それは記号の暗記に過ぎません。

実物を見せながら、体験と一緒に言葉を覚えていくことで、豊かな言語理解の土台ができあがります。お散歩中に見つけたものの名前を教えたり、お手伝いをしながら動作の言葉を伝えたりと、生活の中での学びを大切にしましょう。

④ 表現の力を育てる

身振り・言葉・カードでの表現を通して「伝える喜び」を育みます

「伝えたい」という気持ちと「伝わった」という喜びが、コミュニケーションの原動力になります。言葉が出なくても、指差しや身振り、絵カードなど、その子に合った方法で表現できることが大切です。

「もっと」「おしまい」「いや」など、気持ちを表現する方法を身につけることで、学習への意欲も高まります。どんな方法でも、表現しようとする気持ちを大切にして、しっかりと受け止めてあげましょう。

⑤ 音の感覚を育てる(音韻認識)

しりとりや言葉あそびで「音」に気づく力が、文字習得のカギになります。

文字は音を表すものです。そのため、言葉が音の集まりでできていることに気づく力(音韻認識)がとても重要になります。

「あ・り・さ・ん」のように音を分けて聞いたり、「さ」で始まる言葉を考えたり、「りんご」の最初の音は何かを意識したりする遊びを取り入れましょう。しりとりや手拍子をしながらの言葉遊び、音の数だけ手を叩く遊びなども効果的です。

⑥ 文字に興味を持つ

名前や身の回りの文字に親しみ、「読んでみたい」気持ちが芽生えます

街中の看板、お菓子のパッケージ、絵本の文字など、文字は身の回りにたくさんあります。まずは自分の名前から始めて、「これは○○ちゃんの『○』だね」と文字への関心を向けていきましょう。

文字を教え込むのではなく、「文字って面白い」「読めるっていいな」という気持ちを育てることが大切です。好きなキャラクターの名前や、大好きな食べ物の文字から興味を持つお子さんも多いです。

⑦ 書くための準備(運筆)

線をなぞったり色を塗ったりする経験が、手先の動きも読み書きへの大事なステップになります。

文字を書くには、手指の細かな動きのコントロールが必要です。いきなり文字を書こうとするのではなく、まずは線をなぞったり、丸を描いたり、色を塗ったりする活動から始めましょう

粘土遊び、お絵かき、シール貼りなど、楽しみながら手先の動きを育てる活動はたくさんあります。鉛筆の持ち方も大切ですが、まずは「書く」ことが楽しいと感じられるような経験を積み重ねることが重要です。

よくあるご質問にお答えします

文字の読み書きに入る前に育てたい力と教材例に関するよくある疑問質問

Q: どこまで進んだら文字に入っていいの?

A: 明確な基準はありませんが、上記の7つの力がある程度育ってきていることが目安になります。特に「聞く・見る力」「模倣」「言葉の理解」「音韻認識への気づき」がしっかりしてきたら、文字学習を始める準備が整ったと考えられます。

ただし、子供が文字に興味を示したら、それも大切なサインです。興味のあるうちに、楽しみながら文字に触れてみましょう。

Q: 何歳までにこれができていないとダメ?

A: 発達には個人差があります。年齢だけで判断するのではなく、その子なりのペースを大切にしましょう

3歳で文字が読める子もいれば、7歳になってから急に読み始める子もいます。どちらも正常な発達の範囲内です。「〇歳までに」という枠にとらわれず、その子の「今」を見つめてあげてください。

Q: この子はいつ読み始めるべき?

A: 「べき」ではなく、「準備ができたとき」が最適なタイミングです。

無理に進めるよりも、土台がしっかりしてから始める方が、結果的に早く身につくことが多いです。焦らず、その子のペースで大丈夫。「今はこの力が育っている時期なんだな」と温かく見守ってあげましょう。

「読めない」ではなく、「今は準備中」

「読めない」ではなく、「今は準備中」の画像

読み書きは結果ではなく、プロセスです。

「文字が読めない」「まだ書けない」という見方ではなく、「聞く力が育ってきた」「真似が上手になった」「言葉をたくさん覚えた」というように、「どの力が今育ちつつあるか」に目を向けてみてください

お子さんの成長は、大人が思っているよりもずっと着実に進んでいます。小さな変化や成長に気づいて、「よく頑張っているね」「今日もできることが増えたね」と認めてあげることが、次への意欲につながります。

支援者として私たちが大切にしたいのは、焦らないこと、そして小さな成長に気づいていくことです。読み書きというゴールに向かって、お子さんなりのペースで一歩ずつ進んでいけるよう、温かく見守っていきましょう。

文字が読める・書けることはもちろん素晴らしいことです。でも、それ以上に大切なのは、学ぶことの楽しさ、伝えることの喜び、そして「できた!」という達成感を味わうことなのです。

「特別支援学級の国語」文字の読み書きに入る前に育てたい力と教材例のまとめ

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