2024年の初め。元旦からショッキングなことが続いていますが、そんな中、改めて「災害にあったらどう行動すべきか」を考え直した先生は多いと思います。特に特別支援学級に在籍する子供は不安定になりやすいものです。そこで災害で避難する際に、どんなことをしておくと良いかを一緒に考えていきましょう。
一般的には・・・
- 災害時に備えて非常用持ち出し袋を用意しておく
- 地震の揺れが収まった直後直ちに活動を開始し、子供・教職員の安否確認、負傷者の有無及びその規模の推定を行う
- 避難の必要性を判断し、避難誘導を行う
- 全員の安否を確認し、報告する
- 安全確認したら名簿や安全連絡カードによりチェックする
教員として日頃から、子供達に災害の時にどう行動するか、どう環境が変化するかを考えさせ、なによりも命が大事であることを伝えることが担任の使命であると考えます。
災害にあった時に慌てないよう、常日頃から準備しておきたいですね。
災害が起こる前にやるべきこと
災害はいつやってくるかわかりません。そこで日頃の備えておくべき、具体的な手立てをお伝えします。
連絡網については個人情報になるため、原則鍵のかかるところで保管になりますが、私は万一のためにイニシャルや下の名前で個人スマホの電話帳に保存しておきました。
安全確保
- 事前準備: 震災が起きる前に、避難経路や安全な場所を家族で確認しておきましょう。特に、障害のある子供がいる場合、通常の避難計画に加えて、特別なニーズに対応した計画が必要です。
- 緊急連絡網: 近隣の方々や子供の家族、親族との緊急連絡網を作成し、いざという時に迅速に連絡が取れるようにしておきましょう。
日常のルーティンの維持
- 環境の整備: 避難所や一時的な滞在先でも、子供が落ち着けるような環境を作ることが大切です。例えば、お気に入りのおもちゃや本を持参するなど。
- スケジュールの維持: 食事や睡眠の時間をできるだけ通常通りに保つことで、子供のストレスを軽減できます。
コミュニケーション
- 分かりやすい説明: 震災や避難について、子供が理解しやすいように簡潔かつ具体的に説明しましょう。
- 感情の共有: 子供の不安を和らげるために、自分の感情を正直に伝え、共感を示すことが助けになります。
必要なアイテムの準備
- 個別のニーズに対応: 特別な食事制限や医療機器、日常生活で必要な特別なアイテムをリストアップし、常に携帯できるようにしておきましょう。
サポートネットワークの活用
- 地域のリソース: 地域の障害者支援センターや市町村の福祉部門など、震災時のサポートを提供する機関を事前に調べておくと良いでしょう。
- 相互支援: 近隣住民との協力体制を築くことで、緊急時のサポートが得やすくなります。
感情のケア
- 自己ケア: 長期にわたるストレスは、ご家族の健康にも影響を及ぼす可能性があります。自分自身の感情にも注意を払い、必要ならば専門家の助けを求めましょう。
- 家族でのサポート: 家族間で感情を共有し、お互いを支え合うことが重要です。
これらのポイントは、震災時に障害のある子供を持つご家族が直面する特別な課題に対処するための基本的なガイドラインです。事前の準備と計画が、緊急時の対応をスムーズにし、子供とご家族の安全を守るためには不可欠です。なお、自治体や学校独自のものがあればそちらを優先してください。
個別の避難計画作成方法
特別支援学級の子供たちのための個別の避難計画を立てる際には、以下のステップを踏むことが重要です。これらのステップは、子供たちの特別なニーズに対応し、災害時に彼らの安全を確保するために役立ちます。場合によっては学校だけでなく、福祉や放課後等デイサービスなどの他機関とも連携が必要になるでしょう。
なお、個別の支援計画や指導計画に付け足しすれば連絡先など重複するところは削れるので、時短になります。また自治体や学校独自の様式がある場合はそちらを作成していきましょう。
重要なのは保護者と情報の共有をすることなので、必ずコピーして内容を共通理解した上で渡しておきましょう。
実態の評価
- まず、子供の特定の実態を評価します。これには、身体的、知的、感覚的、行動的な障害の有無と程度が含まれます。また、特定の医療条件や薬の必要性も考慮に入れます。
個別の対応計画の作成
- 各子供の実態に基づいて、個別の避難計画を作成します。例えば、車椅子を使用する子供のためには、避難経路に階段がないことを確認し、必要に応じて避難支援を手配します。
コミュニケーションの計画
- 言語やコミュニケーションの障害がある子供のために、特別なコミュニケーション手段を計画します。これには、絵文字カードや手話、ピクトグラム、書面によるコミュニケーションなどが含まれます。
緊急連絡先の確保
- 子供たちの家族や緊急時の連絡先を確保し、緊急時に迅速に連絡が取れるようにします。
避難訓練の実施
- 実際の災害に備えて、定期的に避難訓練を実施します。この際、子供たちが避難計画を理解し、実行できるようにすることが重要です。
避難所との連携
- 事前に地域の避難所と連携し、子供たちの特別なニーズに対応できるかどうかを確認します。必要に応じて、特別な配慮が必要な子供たちのリストを避難所に提供することもあります。
情報のアップデート
- 定期的に子供たちの実態や状況を評価し、避難計画を更新します。これには、新しい医療条件や治療法の変更、連絡先なども含まれます。
保護者との連携
- 子供たちの保護者と密接に連携し、避難計画について情報を共有します。保護者からのフィードバックも避難計画の改善に役立ちます。
これらのステップを通じて、特別支援学級の子供たちのための個別の避難計画を作成し、災害時に彼らの安全を確保することができます。事前の準備と計画が、緊急時の迅速かつ効果的な対応を可能にします。
災害が起きた時の対応方法
特別支援学級の担任が災害時に対応する方法について、以下のステップでご説明いたします。これらの指針は、特別なニーズを持つ子供たちの安全と福祉を考慮に入れたものです。
安全な場所への迅速な移動
- 緊急避難計画を事前に準備し、災害発生時には子供たちを迅速に安全な場所へ移動させます。特別支援が必要な子供のために、個別の避難計画を立てておくことが重要ですが、まだの場合はその場でできるだけのことをしましょう。
緊急連絡体制の確立
- 学校と家庭、地域社会との緊急連絡体制を整え、災害発生時にはすぐに安全確認を行います。特別支援学級の子供たちの場合、連絡手段に特別な配慮が必要です。
必要物資の確保
- 食料、水、医薬品、そして子供たちの特別なニーズに対応するアイテム(例えば、特定の食品、お気に入りのおもちゃ、支援機器など)を確保します。
情報収集と伝達
- 最新の災害情報を収集し、子供たちやその家族に分かりやすい方法で情報を伝達します。特別支援学級の子供たちには、視覚的な手段や簡単な言葉を使うことが効果的です。
避難所での配慮
- 避難所では、特別支援学級の子供たちが安心して過ごせるように、必要な配慮を行います。感覚過敏やコミュニケーションの障害など、個々のニーズに応じた対応が求められます。
健康と福祉の管理
- 子供たちの健康状態に注意を払い、ストレスや不安からくる影響に対して適切なケアを提供します。必要に応じて医療支援を求めることも重要です。
心理的サポート
- 災害は心理的な影響も大きいため、子供たちとのコミュニケーションを密にし、感情を共有することが重要です。専門家のサポートを受けることも検討しましょう。
復旧・復興への取り組み
- 災害後の復旧作業には、子供たちの安全を最優先に考えます。地域社会との連携を図りながら、徐々に日常生活を取り戻していきます。
特別支援学級の担任の先生方は、災害時には特に子供たちの個別のニーズに注意を払い、迅速かつ適切な対応を行うことが求められます。事前の準備と計画、そして緊急時の冷静な判断が、子供たちの安全と福祉を守る鍵となります。
もしも学級に被災した子供が転入したら
被災された方々の多くは先の見えない避難生活を送っていることと思います。大人でも大変な中、子供の心身にも計り知れない負担でしょう。 過去の事例から「被災した子供にどう対応したら良いか」をまとめました。
情報収集と共有
転入前の学校や保護者との連携を図り、子供の状況や情報を収集してください。必要であれば、心理支援の専門家とも連携を取ります。
継続的なケアと評価
子供の様子を注意深く観察し、必要に応じて個別の支援計画を調整します。保護者や他の教員、必要であれば専門家とも定期的に連絡を取り合い、子供の進捗について情報を共有しましょう。
学級内との関係構築
他の子供たちに対しても、新しい子供を受け入れるための心構えを行います。相互理解と協力の重要性を伝え、新しい友達を迎える準備をしましょう。
空間を確保
不安なことがあれば「ここは安心」と伝えます。パーテーションや段ボールを活用しても良いでしょう。
毎日の生活を視覚的にわかるよう掲示
見通しが持てない生活は誰でもストレスになります。不安になる要因はできるだけ取り除いて見通しが持てるようにしましょう。
甘えを受け止める
自分でできることでもやって欲しいと言ってきたことは受けてめてできることはやってあげる 。
好きな遊びをする
遊ぶことでストレス発散になります。
注意は理由を添え短く
注意してほしいことがあるときは、簡単な理由を添えやるべきことを具体的に伝えます。
特別支援学級の担任が災害時にしておくべきことのQ &A
特別支援学級の担任が災害時にしておくべきことのまとめ
災害時要援護者となる子どもがいる場合は、行政、地域に子どもの障害特性や非常時に支援してほしい内容をあらかじめ伝え、いざというときの支援体制を整備しておくことが大切です。
気持ちが動揺している方もいると思いますが、とにかく今は”いざ”という時のために、今できることを粛々とやっていきましょう。
ぷーたのX (Twitter):https://twitter.com/aki2000oakp
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