【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&A

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ブログ教員コンパス「【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&A」

実際に、こんな経験がありました。

同じ学年の
男子児童の保護者2名と女子児童1名からは
「性教育はしないでほしい」という要望がありました。
一方で、別の男子児童の保護者1名からは
「学校でも性教育をしてほしい」という要望も受けました。

意見が真逆の中で、一般的なプライベートゾーンについては全体に伝え、
それ以上の内容については、「まだ小学生だから」という判断で授業は行いませんでした。

けれど、本当にこれでよかったのだろうかという思いが、心に残りました。

誰かの意向に配慮した結果、子どもたちにとって必要なことまで
伝えられなくなっていなかっただろうか。

このときの迷いと苦しさが、「性教育」というテーマを
避けずに整理しようと思ったきっかけです。

この記事で分かること

  • 小学校特別支援学級における性教育の考え方
  • 「しないでほしい」と言われたときの対応の軸
  • 保護者への伝え方・言い換えの工夫
  • 学級通信・事前説明文の文例
  • 判断に迷ったときの整理方法とQ&A

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目次

小学校特別支援学級の性教育とは【結論】

【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&Aの「小学校特別支援学級の性教育とは【結論】」の画像

小学校特別支援学級における性教育は、性に関する知識を教えることが目的ではありません。子どもが学校生活の中で安心して過ごし、自分の体や気持ちを守るために必要な「生活の学び」として位置づけられます。嫌なときに断ってよいこと、困ったときに大人に相談してよいことなど、日常生活に直結する内容を、発達段階に応じて分かりやすく伝えることが大切です。

性の知識を教えることが目的ではない

小学校特別支援学級で行う性教育は、
思春期の知識や詳しい内容を教えることが目的ではありません。

目的は一つです。

子どもが安心・安全に学校生活を送るための力を育てること

特別支援学級で扱う性教育の基本内容

  • 自分の体は大切にしてよい
  • 嫌なときは「いや」と言ってよい
  • 困ったときは大人に相談してよい
  • 人との距離には約束がある

これは「性教育」というより、
生活指導・安全指導の一部と捉えると整理しやすくなります。

なぜ保護者の意見が分かれるのか

【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&Aの「なぜ保護者の意見が分かれるのか」の画像

「性教育はしないでほしい」と言われる理由

  • まだ早いのではないかという不安
  • 変な知識を入れてほしくない
  • 家庭の考えを尊重してほしい

多くの場合、
内容が分からないことへの不安が背景にあります。

「家庭ですでに性教育をしている」保護者の考え

  • 体の変化についてすでに説明している
  • 学校とも共通理解を持ちたい
  • トラブル予防として必要だと感じている

立場は違っても、
子どもを守りたいという思いは共通しています。

学校としての正しい立ち位置【保護者の意向を考慮】

【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&Aの「学校としての正しい立ち位置【保護者の意向を考慮】」の画像

性教育に対する保護者の受け止め方は、家庭の価値観や経験、子どもの成長への捉え方によって大きく異なります。「まだ早いのでは」と不安を感じる家庭がある一方で、トラブルを防ぐために学校でも共通理解を持ってほしいと考える家庭もあります。どちらの思いも、子どもを守りたいという気持ちから生まれたものです。その違いを前提に、学校としての立ち位置を整理することが重要になります。

学校が担うべき役割

  • 安心・安全に直結する内容
  • 全員に共通して必要な約束
  • 学校生活で起こりうる場面への備え

家庭に委ねるべき内容

  • 価値観
  • 詳しい性の説明
  • 家庭ごとの考え方

これらは、家庭を尊重する領域です。

「やらない」「押し切る」がNGな理由

  • 何もしない → 子どもの安全が守れない
  • 押し切る → 不信感やトラブルにつながる

内容は最低限守り、方法や表現で配慮する
これが、学校として最も現実的な立ち位置です。

【体験談】判断に迷った実例

私自身、
「しないでほしい」という要望と
「してほしい」という要望を
同時に受け、判断に迷った経験があります。

プライベートゾーンのみを扱い、
それ以上は行わなかった判断自体は
間違いではなかったと思います。

けれど、
「子どもたちが困ったとき、
本当に十分な土台を渡せていただろうか」
という思いが、心に残りました。

この経験から、
する・しないではなく
どこまでを学校が担うのか

という視点で考えるようになりました。

「性教育をしないでほしい」と言われたときの対応

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保護者の意向が分かれる中で、学校が目指すべき立ち位置は、どちらかの考えに寄せることではありません。学校は、すべての子どもが安心して生活するために必要な最低限の共通理解を担い、価値観や詳しい説明については家庭を尊重します。安全に関わる内容まで扱わないことも、家庭の考えを押し切ることも避け、内容と方法を分けて考えることが、信頼関係を保ちながら進めるための大切な視点です。

最初に伝えるべき言葉(受け止め)

  • 「ご心配なお気持ち、よく分かります」
  • 「不安になりますよね」

「性教育」という言葉を使わない言い換え

  • 「性について詳しく教えるわけではありません」
  • 「体を大切にすることや、学校での約束の確認です」

扱う内容・扱わない内容の伝え方

  • 性的な行為や詳しい話は扱わない
  • 嫌なときに断ってよい、相談してよいことを確認する

学級通信・事前説明文の文例【コピペOK】

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性に関する学習は、内容以上に「どう伝えるか」が重要になります。事前に学級通信や文書で学校の考えを共有しておくことで、保護者の不安を和らげ、誤解や行き違いを防ぐことができます。ここでは、性の知識を教えることが目的ではないこと、学校生活の安心と安全を守るための学習であることが伝わる文例を紹介します。必要に応じて学級の実態に合わせて言い回しを調整し、無理のない形で活用してください。

学級通信に使える文例①【標準/学級通信向け】

からだを大切にする学習について

今後、学級では、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう、「自分のからだを大切にすること」や「人との関わり方」について確認する時間を設けます。
内容は、嫌なときは断ってよいこと、困ったときは大人に相談してよいことなど、日常生活に必要な基本的な約束に限っています。
性的な行為や詳しい知識について指導することはありません。ご家庭の考えを大切にしながら進めていきます。

文例②【不安が出やすい学級向け/事前説明文】

安心・安全に関わる学習について

本学級では、学校生活を安心して過ごすための学習として、「自分の体は大切にしてよいこと」「嫌なときは無理をしなくてよいこと」などを、発達段階に配慮しながら確認します。
性に関する詳しい内容や価値観について扱うことはありません。
本学習は、トラブルを防ぎ、子ども自身が困ったときに助けを求められるようにすることを目的としています。ご心配な点がありましたら、事前にご相談ください。

文例③【意見が分かれやすい場合/配慮重視】

学級での学習内容についてのお知らせ

学級では、すべての子どもが安心して過ごせるよう、体の大切さや人との距離に関する基本的な約束を確認します。
性の知識を教えることが目的ではなく、学校生活に必要な最低限の共通理解として行うものです。
詳しい内容やご家庭での考え方については、各ご家庭の方針を尊重いたします。ご不安な点がありましたら、個別にお話しさせてください。


【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときのQ&A

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性教育に関する対応は、事前に考えていても、実際の場面では迷いやすいものです。ここでは、現場の先生からよく聞かれる質問を取り上げ、判断の考え方や対応の方向性を整理します。正解を一つ示すのではなく、「どう考えればよいか」の視点を共有することで、担任が一人で抱え込まずに判断できることを目指しています。

強く反対されたらどうする?

私自身も、真逆の要望を同時に受けた経験があります。
大切なのは、誰の意見を優先するかではなく、学校として最低限守るものを整理することです。

それでも納得されない場合は中止?

全面中止ではなく、
内容は守り、進め方で配慮します。

管理職にはいつ相談すべき?

反対が出てからではなく、
出そうだと感じた時点がベストです。

保護者とのやり取りは記録に残す?

必ず、事実ベースで簡潔に残します。
担任自身を守る記録になります。

家庭で性教育をしている場合の対応は?

家庭の取り組みを否定せず、
学校との役割分担を整理して伝えます。

担任が一人で抱えなくていい理由

【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときの対応・説明文・Q&Aの「担任が一人で抱えなくていい理由」の画像

性に関する学習や保護者対応は、担任個人の力量や説明力だけで解決できるものではありません。価値観が分かれやすく、誰が対応しても悩みが生じやすいテーマです。だからこそ、管理職や養護教諭、特別支援教育コーディネーターと考え方を共有し、学校としての立ち位置をそろえておくことが大切です。一人で判断しようとしないことが、結果的に子どもと自分を守ることにつながります。

これは担任の力量の問題ではない

テーマそのものが難しく、
誰が担当しても起こり得る課題です。

事前に共有しておきたい校内連携

  • 管理職
  • 養護教諭
  • 特別支援教育コーディネーター

関連書籍の紹介(現場での理解を深めたい方へ)

性に関する学習や保護者対応は、個人の経験だけで判断するには難しいテーマです。
学校としての立ち位置を整理したり、保護者への説明の視点を広げたりするために、専門家の知見を参考にすることも一つの方法です。

以下は、特別支援教育や小学生への性教育を考える際に、現場の先生が参考にしやすい書籍です。

  • 『ワークシートから始める特別支援教育のための性教育』
    → 特別支援教育の立場から、段階的に整理されており、実践のヒントが得られます。
  • 『おうち性教育はじめます』シリーズ
    → 保護者の視点を知ることで、学校での説明や言葉選びの参考になります。

『学校でできる!性の問題行動へのケア』
 → 性の行動を「問題」で終わらせず、背景理解と学校での支援に結びつける実践書。

※書籍はあくまで参考資料です。
学級や子どもの実態に合わせて、無理のない形で活用してください。

【保存版】小学校特別支援学級の性教育|「しないでほしい」と言われたときのまとめ|判断に迷ったときの軸

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小学校特別支援学級の性教育で迷ったときは、「性教育をするか、しないか」で考えないことが大切です。判断の軸は、子どもが安心して学校生活を送るために必要かどうか、という一点に置きます。保護者の意向を尊重しつつ、学校として最低限担うべき安全に関わる学びは何かを整理することで、対応はぶれにくくなります。この視点があれば、難しい場面でも落ち着いて判断できます。

保護者の意向を尊重しつつ、学校の責任を果たす

どちらかに寄せるのではなく、
子どもの安心・安全を軸に判断することが大切です。

「性教育」ではなく「安心・安全の学習」と捉える

言葉に引っ張られすぎず、
生活に必要な学びとして整理することで、
保護者対応もブレにくくなります。

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