年度の終わりが近づくと、「引き継ぎが大変…」と感じることはありませんか?
特別支援学級の担任は、支援の継続性がとても大切。でも、そのために膨大な資料を整理したり、過去の記録を読み込んだり…と、時間がいくらあっても足りないのが現実です。
でも、実は「個別の指導計画」さえしっかり活用すれば、無駄な作業を省きながらスムーズな引き継ぎが可能なんです!
今回は、忙しい先生方のために 「個別の指導計画だけ」で引き継ぎを完了させる時短テクニック をご紹介します。
それでは、具体的な方法を見ていきましょう。
はじめに

1.特別支援学級の引き継ぎはなぜ重要?
特別支援学級での引き継ぎは、子供一人一人の特性や支援方法を確実に次の担任に伝えることで、新年度からの学習環境を整え、子どもたちの学びを途切れさせないために極めて重要です。しかし、膨大な資料作成は必ずしも効果的とは限りません。
2. 時短で効果的に引き継ぐには?
効率的な引き継ぎの鍵は、必要な情報を厳選し、個別の指導計画(IEP)を中心に据えることです。これにより、作成する書類を最小限に抑えながら、質の高い引き継ぎを実現できます。
個別の指導計画だけで引き継ぎを完結させる方法

1. 「必要最小限」でも大丈夫な理由
個別の指導計画には、子供の現状、目標、支援方法が集約されています。これらは新担任が必要とする最も重要な情報であり、詳細な記録よりも、むしろ簡潔で明確な情報の方が活用しやすいのです。
2. 個別の指導計画に含めるべき重要ポイント
- 子供の基本的な特性と学習スタイル
- 具体的な支援方法と、その効果
- 短期・長期の学習目標
- 安全面での配慮事項
- コミュニケーション方法の特徴
3. 既存の計画を活用して負担を減らすコツ
- 学期ごとの評価をそのまま活用
- 支援方法の変更点に焦点を当てる
- 成功事例と失敗事例を簡潔に記録
実践!効率的な個別の指導計画の作成法

1. 一目でわかる!個別の指導計画のフォーマット
重要な情報を視覚的に把握しやすい形式で記載することが重要です。表形式を活用し、以下の項目を明確に区分します:
- 基本情報
- 現在の状況
- 短期目標
- 長期目標
- 具体的な支援方法
- 評価方法
2. 「指導目標+対応策+注意点」の簡潔な書き方
具体的かつ簡潔な記述を心がけ、実行可能な支援方法を明記します。抽象的な表現は避け、「いつ」「どのように」支援するかを明確にします。
3. 「この児童のココだけは知ってほしい!」を明確にする
特に重要な配慮事項や支援のポイントは、別枠で強調します。緊急時の対応や特別な配慮が必要な場面については、具体的に記載します。
口頭引き継ぎで補うべきポイント

1. 個別の指導計画に書かない情報はどう伝える?
センシティブな情報や、微妙な対応が必要な事項については、口頭での説明が適切です。ただし、必要最小限の情報に絞って伝えることを心がけます。
2. 後任者が不安を感じにくい伝え方
- 成功体験を中心に伝える
- 具体的な支援例を示す
- 質問しやすい雰囲気づくり
- 継続的なサポート体制の確認
3. 短時間で効果的に伝える「3つのポイント」
- 子供の強みと特性
- 効果的だった支援方法
- 安全面での注意点
よくある疑問と解決策

1. 「個別の指導計画だけで足りる?」という不安への回答
個別の指導計画は、児童の支援に必要な本質的な情報を含んでいます。詳細な記録よりも、実践可能な具体的な支援方法を示すことが重要です。
2. 保護者対応の引き継ぎはどうする?
個別の指導計画に、保護者との連携方法や重要な約束事を簡潔に記載します。詳細は口頭で補足することで、適切な情報共有が可能です。
3. 後任者との引き継ぎがスムーズにいかない場合の対策
- 質問シートの活用
- 段階的な引き継ぎの実施
- 管理職を交えた情報共有
- 定期的なフォローアップ機会の設定
現場の先生方からよくある質問(Q&A)
- 個別の指導計画での引き継ぎと、これまでの詳細な引き継ぎ資料では、どちらが効果的ですか?
-
個別の指導計画を中心とした引き継ぎの方が効果的です。その理由として:
必要な情報が整理されており、新担任が必要な情報にすぐにアクセスできる
日々の指導に直結する具体的な支援方法が明確
過度な情報量による混乱を防ぎ、重要ポイントに集中できる
作成する側の負担が少なく、より質の高い内容に注力できる - 年度途中での引き継ぎが必要になった場合、どのように対応すればよいですか?
-
年度途中の引き継ぎでは、以下の点に特に注意して対応します
- 現在進行中の学習内容と到達度を個別の指導計画に明確に記載
- 直近の支援方法の変更点や効果を重点的に説明
- 保護者との連携状況や約束事を優先的に共有
- 児童の現在の様子と、特に配慮が必要な点を具体的に伝える
- 可能であれば、数日間の引き継ぎ期間を設けて実際の支援場面を見てもらう
- 医療機関との連携や服薬管理などの情報は、個別の指導計画にどこまで記載すべきですか?
-
医療関連の情報については、以下のようにまとめることをお勧めします
- 個別の指導計画には、日常的な観察ポイントと緊急時の基本的な対応手順のみを記載
- 具体的な医療情報や服薬内容は、別途の健康管理表等に記載
- 保護者や医療機関との連絡体制を明確に示す
- 投薬の有無による児童の様子の変化など、教育活動に直接関わる情報は記載
- プライバシーに配慮し、必要最小限の情報共有を心がける
時短!「個別の指導計画だけ」でできる特別支援学級の引き継ぎのまとめ

1. 書類を減らしても大事なことは伝わる!
必要な情報を個別の指導計画に集約することで、効率的な引き継ぎが可能です。重要なのは情報の量ではなく、質と使いやすさです。
2. 「個別の指導計画+口頭説明」で効率よく引き継ぐ
書面と口頭での説明を組み合わせることで、必要な情報を確実に伝えることができます。この方法により、引き継ぎ作業の効率化と質の向上の両立が可能となります。
3. 次の担任がスムーズに授業をスタートできる環境を作ろう
シンプルで分かりやすい引き継ぎは、新担任の不安を軽減し、スムーズな学級運営のスタートを支援します。これにより、児童たちの学びの継続性も確保されます。
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