特別支援学級の担任をしていると、
「どう書けば伝わるだろう…」
「保護者への言葉選びに迷う…」
と感じることはありませんか?
子どもの様子を丁寧に伝えたいけれど、時間も限られています。
そんなときに役立つのが「定型句のストック」です。
決して“手抜き”ではなく、先生の想いをスムーズに伝えるための工夫。
この記事では、定型句をストックするメリットと、現場で使える50のフレーズを紹介します。
定型句をストックする3つのメリット

定型句を持っていると、書くときの迷いや時間のロスを減らし、
日々の記録や保護者対応をもっとスムーズに進められます。
① 時間の節約になる
毎回ゼロから文章を考えなくて済むので、1日10分以上の時短に。
学期末には数時間分の余裕が生まれます。
② 表現のばらつきを防げる
同じ内容でも書く人によって印象が変わることがあります。
定型句を使うことで、一貫性と安心感のあるコミュニケーションができます。
③ 言葉に自信が持てる
「どう書けば角が立たないかな」「やわらかく伝えたい」
そんな迷いを減らし、気もちを安心して伝える文章が書けます。
シーン別・使える定型句50選

日々の記録や保護者対応、個別計画など、
特別支援学級の担任がよく使う場面ごとに、すぐ使える定型句をまとめました。
【1】日々の記録・連絡帳で使えるフレーズ
- 落ち着いて話を聞く時間が増えてきました。
- 苦手なことにも少しずつ挑戦する姿が見られます。
- できた時の笑顔がとても素敵でした。
- お友だちの話を聞こうとする姿がありました。
- 自分の気もちを言葉で伝えようと頑張っています。
【2】保護者とのやり取りに使えるフレーズ
- ご家庭でのご協力、いつもありがとうございます。
- 学校での様子を共有させていただきますね。
- ご家庭でも同じ方向で関わっていただけると助かります。
- 本人のペースで少しずつ成長しています。
- ○○さんの良いところをたくさん見つけていきたいです。
【3】行動・情緒面の記録に使えるフレーズ
- 気もちの切り替えが早くなってきました。
- 感情が高ぶる場面でも、落ち着こうとする姿が見られました。
- 苦手な場面では支援を求めることができました。
- 「いや」と言えたのは大切な一歩でした。
- 自分の気もちに気づこうとする姿勢が育っています。
【4】学習面の記録に使えるフレーズ
- 集中して課題に取り組む姿が見られました。
- 見通しを持って行動できるようになってきました。
- ヒントをもとに自分で考える姿勢がありました。
- 文字や数への興味が広がっています。
- 「できた!」という実感を持てる場面が増えています。
【5】友だちとの関わりに使えるフレーズ
- 「いっしょにやろう」と声をかける姿が見られました。
- トラブルのあと、自分から謝ることができました。
- 他の子の気もちに気づくことが増えてきました。
- 仲間と協力して活動に参加する様子がありました。
- 相手の立場を考えようとする姿勢が育っています。
【6】前向きなまとめに使えるフレーズ
- 小さな積み重ねが大きな成長につながっています。
- ○○さんの優しさが周りの子にも伝わっています。
- 「やってみよう」とする気もちが頼もしいです。
- 毎日少しずつ、自信をつけています。
- これからの成長も一緒に見守っていきたいです。
【7】困りごとをやわらかく伝えるフレーズ
- 苦手な場面では、サポートがあると安心して過ごせます。
- 集団の中で戸惑う様子が見られることがあります。
- 気もちを言葉で表すのが難しい場面があります。
- 落ち着ける時間を持つことで、その後の活動に前向きになれます。
- ご家庭でも気づかれたことがあれば教えてください。
【8】職員間の連携メモに使えるフレーズ
- 支援があると安心して活動できます。
- 一言声をかけることでスムーズに切り替えられます。
- 手順を視覚的に示すと理解しやすいです。
- 難しい場面では一度距離をとると落ち着きます。
- 「あと○分」と予告しておくと混乱が減ります。
【9】個別の指導計画・記録に使えるフレーズ
- 自立に向けて、自分でできることを増やしています。
- 日常生活の流れを理解して行動できるようになってきました。
- 支援を受けながらも、自分なりに工夫する姿が見られます。
- 苦手なことにも挑戦する意欲が育っています。
- 継続して取り組む姿が安定してきました。
【10】終わりの文に使えるフレーズ
- 明日も安心して登校できるよう、見守っていきます。
- ご家庭と連携しながら、より良い支援を進めてまいります。
- これからも笑顔で過ごせるようサポートしていきます。
- 成長を一緒に喜び合える日々を大切にしていきます。
- 引き続きよろしくお願いいたします。
「特別支援学級 担任向け定型句50選|記録・連絡・保護者対応にすぐ使える言葉」のQ&A

Q1. 定型句を使うと、機械的な印象になりませんか?
A. 定型句は「土台」です。そこに、子どもの具体的な様子やエピソードを加えることで、温かみのある言葉になります。使い方次第で、むしろ伝わりやすくなります。
Q2. どんな場面で定型句を使うのが効果的ですか?
A. 通信欄・記録・個別の指導計画・保護者対応など、「時間をかけずに丁寧に伝えたい」場面におすすめです。特に忙しい学期末や行事後に重宝します。
Q3. 学年や子どもの特性によって使い分けは必要ですか?
A. はい。たとえば高学年では「努力」や「自立」を意識した表現、低学年では「挑戦」や「楽しく取り組む」など、発達段階に合わせた言葉を選ぶと自然です。
Q4. 定型句をチームで共有する方法はありますか?
A. WordやGoogleスプレッドシート、Canvaなどで共有テンプレートを作るのがおすすめです。学年や支援学級内での統一感が生まれ、引き継ぎもスムーズになります。
Q5. 保護者に配慮した言い換えもありますか?
A. はい。以下のKindle書籍で紹介しています。
👉 教師のためのクレーム予防&伝え方辞典 脳科学でわかる 発達障害・特別支援にも効く 言い方と 初動対応 48の技術
特別支援学級 担任向け定型句50選|記録・連絡・保護者対応にすぐ使える言葉のまとめ

特別支援学級の担任にとって、日々の記録や保護者対応は欠かせない大切な仕事です。
けれど、すべてを一から丁寧に書こうとすると、あっという間に時間がなくなってしまいますよね。
そんなときこそ、定型句のストックが力を発揮します。
言葉を貯めておくことで、
- 伝えたい思いをスムーズに表現できる
- 記録や連絡帳を書く時間を短縮できる
- 保護者や同僚とのコミュニケーションが安定する
という、3つの大きな効果が得られます。
「書く」ことに追われるのではなく、子どもと向き合う時間を増やすための工夫として、
ぜひあなた自身の“言葉の引き出し”を作ってみてください。
少しずつ自分の言葉を加えていけば、
それはもう、あなただけの「支援ノート」になっていきます。
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