受講生からの相談「私の支援、これでいいのか不安で…」

💬 「ぷーた先生、家庭の協力が得られなくて困っています。
子どものことを思ってなんとかして欲しいけれど、保護者にうまく伝わらなくて…。」
特別支援学級コーチング講座の受講生・A先生が、静かにそう話してくれました。
担任しているのは3年生のBくん。
漢字や文章の読み書きに苦手さがあり、朝の登校も遅れがち。
それでも、学校に来ると明るくあいさつをしてくれる——そんなやさしい子です。
ぷーた先生本記事は、特別支援学級コーチング講座での相談をもとに再構成した内容です。
個人情報への配慮から、一部脚色を加えています。
同じように悩む先生の力になれたら幸いです。
家庭との連携に悩むA先生の気持ち


Bくんのお母さんは仕事が忙しく、家庭での学習支援は難しい状況。
学校からのプリントも進まず、連絡帳には
「声をかけても動いてくれないんです」
などと書かれていました。
A先生はできる限りの工夫を重ねていましたが、
家庭との温度差に、次第に不安を感じていたそうです。
「お母さんも大変なのはわかっているんです。
でも、もう少し協力してもらえたら…。
私の保護者への支援、これで合っているのかなって不安に思うんです。」
その言葉からは、真摯に子どもと向き合う先生の葛藤が伝わってきました。
私が伝えたこと:「保護者を変えよう」としなくて大丈夫
私はA先生に、こう話しました。
「親を変えようとするより、
Bくん自身が“できた!”と感じる体験を増やしていきましょう。」
家庭の理解は、子どもの変化が一番のメッセージになります。
子どもの表情が明るくなれば、家庭にも自然と変化が生まれるのです。
焦らず、まずは学校で“できた!”を積み重ねることから始めましょう。
“できた!”を育てる小さな工夫


A先生と一緒に考えたのは、
「日常の中で、Bくんが自分を誇れる瞬間を増やすこと」でした。
- プリントを1枚終えるたびに ごほうびシールを貼る
- 朝の支度ができたら 「できたねカード」で褒める
- 授業中に友達にプリントを配る 係活動を任せる
たったそれだけの工夫。
けれども、Bくんの表情は確実に変わっていきました。


「先生、今日もできたよ!」と笑顔で話す姿。
その声が、教室全体を温かくしていったのです🌱
子どもの変化が、家庭を少しずつ動かした


数日後、A先生から嬉しい報告が届きました。
「Bくん、朝、自分から支度をするようになったんです。
お母さんが“最近、頑張ってるんですよ”と笑顔で話してくださいました。」
お母さんの言葉のトーンが、明らかに変わっていました。
家庭の協力は「お願い」ではなく、「信頼の積み重ね」で育つ。
その瞬間を、A先生自身も実感されていました。
A先生の気づき


「家庭が変わらなくても、学校でできることがたくさんあるって思えました。
そして、子どもの“できた”を信じることが、私自身の力にもなりました。」
A先生の表情が、柔らかく穏やかになっていました。
子どもの変化は、親だけでなく、先生自身も癒していくのだと感じました🌿
【特別支援学級】家庭の協力が得られないときの支援|「親を変えよう」とする前にのQ &A


- 家庭の協力がまったく得られない場合、どうしたらいいですか?
-
まずは学校での成功体験を重ねることを優先しましょう。
家庭を動かすのは、先生の言葉よりも子どもの笑顔や変化です。
「できたね」「今日も来てくれて嬉しいよ」など、子どもが自信をもてる声かけを続けることで、家庭の空気も少しずつ変わっていきます。 - 親への伝え方が難しいです。どんな言葉を選ぶといいですか?
-
ポイントは「できたことを具体的に伝える」ことです。
「今日は“漢字を書けた”と嬉しそうに話していましたよ」など、
行動+表情+気持ちを一緒に伝えると、親御さんもイメージしやすくなります。
批判や指摘より、「こんな成長がありました」という報告を積み重ねていきましょう。 - 支援がうまくいかず、先生自身が疲れてしまうときは?
-
「家庭が動かない=自分のせい」と思わないでください。
家庭の事情は、先生の努力だけでは変えられない部分もあります。
できる範囲で子どもと過ごし、“今日も笑顔で関われた”こと自体を成果として認めましょう。
小さな達成感が、先生自身の回復にもつながります。 - 学習の遅れが大きい場合、どこから手をつけるべきですか?
-
まずは「読む・書く・聞く・話す」のうち、子どもが得意な入り口から始めましょう。
すべてを一度に整えようとせず、「得意を伸ばして苦手を支える」考え方でOKです。
たとえば、読むのが難しければ、まずは絵や音を手がかりに言葉に親しむ活動からスタートします。 - 家庭訪問や面談で話がすれ違うときは?
-
対話の目的を「理解を求める」から「共有する」に変えるとスムーズです。
「お母さんの思いを聞かせてください」とまず耳を傾け、
その上で「学校ではこう支援しています」と事実ベースで伝えると、衝突を防げます。
先生の穏やかな姿勢が、親の安心感につながります。
【特別支援学級】家庭の協力が得られないときの支援|「親を変えよう」とする前に…のまとめ


- 親を変えようとするより、子どもの“できた!”体験を積み重ねよう
- 学校での小さな変化が、家庭の信頼を育てる
- 先生が焦らず寄り添うことで、教室の空気が変わる
焦らずに、今日の“できた!”を一緒に喜びましょう。
その積み重ねが、必ず家庭にも届いていきます🌿
相談してくださる先生方へ
悩みを打ち明けてくださる先生は、
すでに子どものことを本気で考えている先生です。
A先生も、勇気を出して相談してくれました。
その勇気こそが、子どもを支える第一歩です。
「家庭の協力が得られない」と感じたときこそ、
“先生が信じる力”が、子どもを動かします🌟



本記事は、特別支援学級コーチング講座での相談をもとに再構成した内容です。
個人情報への配慮から、一部脚色を加えています。
同じように悩む先生の力になれたら幸いです。













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