こんにちは、ぷーたです。
今回は、知的障害や自閉症の特性を持つお子さんが「わざとダメなことをする」というお悩みについて、
現場ですぐ使える支援アイデアをまとめました。
毎日の中で、
「叱ってもなおらない」
「無視したいけど集団では難しい」
そんなもどかしい気持ちを感じたことはありませんか?
この記事が、そんなときの小さなヒントになれば嬉しいです。
※この記事では「わざとダメなこと」と表現していますが、「不適切なこと」とも言い換えられます。わかりやすい方言を使っていますことをご承知おきください。
なぜ、わざとダメなことをするのか?

今回のようなケースでは、
単なる「いたずら」ではなく、
「大人の反応を楽しみたい」「かまってほしい」という気持ちが背景にあることが多いです。
- 何かをする前に大人の顔をチラッと見る
- 注意されると笑う
このような行動パターンは、
「ダメなことをする → 大人が反応する → 楽しい!」
という流れができているサインです。
この気持ちの理解が、支援の第一歩になります。
現在の対応が間違っていない理由
「できるときは無視する」という対応は、実は正しい方向です。
なぜなら、大人が強く反応すればするほど、行動はエスカレートしやすいからです。
とはいえ
- 他の子がいる場面
- 集団活動中
など、無視だけでは対応しきれないことも現実にありますよね。
そこで、すぐ取り入れやすい支援策を3つご提案します。
1. 【物理的対策】環境を工夫する

ダメな行動ができないように、物理的に環境を整える方法です。
例)
- 押してはいけないボタンにカバーをつける
- 触ってほしくないものを視界から外す
- 動かしてほしくないものを固定する
ポイント
- 衝動的な行動を「できにくくする」だけで、ストレスが減ります。
- 先生の注意が減ることで、本人も落ち着きやすくなります。
2. 【視覚的対策】ダメなことをわかりやすく示す

「ダメ!」と口で言うより、目で見てわかるサインを使います。
例)
- 赤いバツマークを貼る
- 「STOP」のイラストカードを掲示する
- 「ここには触らないよ」のピクトグラムを置く
ポイント
- 言葉が入りづらい子にも効果的。
- 視覚で自然にルールを理解できるようになります。
💡「叱る」より「気づかせる」ことを目指しましょう。
3. 【行動の置きかえ対策】別の行動に誘導する

「ダメなことをしたい」気持ち自体を否定せず、別の行動に置きかえてあげます。
例)
- 触っていいものを別に用意する(押していいおもちゃボタン、感触グッズなど)
- 「〇〇できたら、先生に教えてね!」と役割を与える
- 手が空いたとき用のミッションカードを作る
ポイント
- 「していいこと」を増やすことで、ダメな行動が自然に減っていきます。
- 本人の達成感にもつながりやすいです。
さらに効果を高めるコツ
もし行動が落ち着き始めたら、
「ダメなことをしなかった時間」をほめることも取り入れましょう。
たとえば
「今5分間、落ち着いて過ごせたね!すごい!」
と、小さな成功を具体的に伝えます。
🌸「できた時間」が増えることに本人も自信を持てるようになり、
🌸 その積み重ねが自己コントロールの力を育てていきます。
特別支援学級の子が「わざとダメなことをする理由とその支援法」Q &A

- わざとダメなことをするのは、わがままだからですか?
-
必ずしも「わがまま」ではありません。
多くの場合、大人の注意を引きたい、かまってほしいという気持ちが背景にあります。
特性によっては「相手の反応を試す」という発達段階の一部であることもあります。 - ダメなことをしたとき、叱ったほうがいいのでしょうか?
-
叱るよりも、「どう行動してほしいか」をわかりやすく伝えるほうが効果的です。
叱られることで、かえって注目される感覚が強まることもあるため、
視覚支援や環境設定で自然に「できる行動」へ導くことをおすすめします。 - 無視するのがいいと聞きましたが、本当に効果があるのでしょうか?
-
適切な無視(=注意を向けず、反応を控えること)は効果的です。
ただし、- 安全を確保できる場合
- 他の子どもへの悪影響が少ない場合
に限ります。
無理な無視ではなく、状況に応じた柔軟な対応が大切です。
- 教室でわざとダメなことをする子がいて、周りの子に悪影響が出そうで心配です。どうしたら?
-
周りの子どもたちには、
「困ったときの対処法(先生に知らせるなど)」を事前に教えておくと安心です。
また、本人への支援を進めながら、
周囲へのさりげないフォロー(例:静かに別の活動に集中させる)を組み合わせることで、
集団全体が落ち着きやすくなります。 - すぐに効果が出ないとき、どう支援を続けたらいいでしょうか?
-
わざとダメなことをする行動は、
「楽しい」「注目される」という体験の積み重ねから生まれています。
そのため、支援にもある程度の「時間」と「一貫性」が必要です。
小さなできたを積み上げる
ダメなことではなく、できたことに注目してほめる
周囲の大人も支援方法を共有し、足並みをそろえる
このように焦らず支援を続けることが、確かな成果につながります。
特別支援学級の子が「わざとダメなことをする理由とその支援法」まとめ
わざとダメなことをする子には、
「叱る・止める」だけでなく、
環境・視覚支援・行動の置きかえ支援を組み合わせるのが効果的です。
子どもたちは、わざとダメなことをする中にも、
「気づいてほしい」「関わりたい」という小さなメッセージを送っています。
あたたかく受け止めながら、
「できた!」を一緒に喜べる場面を増やしていきましょうね。
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