母子分離ができない子への対応|特別支援学級で無理に離さなかった理由

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ブログ教員コンパス「母子分離ができない子への対応|特別支援学級で無理に離さなかった理由」

朝、昇降口で立ち止まり、母親の手を離せずに泣く子どもを前に、時計だけが進んでいく。
「今日はどうしよう」と考えながら立ち尽くした朝――私にもあります。
無理に離したほうがいいのか、このまま見守っていていいのか。
誰にも正解を聞けないまま、同じ問いを抱え続ける日がありました。

この記事は、母子分離を急がなかった一つの実践を通して、
「今できていないこと」よりも「今守れていること」に目を向けるための整理です。

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目次

なぜ母子分離が進まないのか|よくある背景

ブログ教員コンパスより、母子分離ができない子への対応|特別支援学級で無理に離さなかった理由

母子分離が進まない背景には、いくつかの要因が重なっていることが少なくありません。
たとえば、不安が強く、安心できる人が限られている場合、子どもにとって母親は「安全そのもの」になります。学校という環境は、音や人の動き、予定の変更などが多く、見通しを持ちにくい場所です。その中で安心の拠り所が一つしかないと、離れること自体が強い恐怖になります。
また、気持ちを言葉で説明することが難しい子どもほど、不安は行動として表れやすくなります。泣く、動けなくなる、トイレにこもるといった姿は、「困っている」というサインでもあります。
母子分離ができないのは、努力不足ではなく、その子なりの理由があることがほとんどです。

母子分離を急ぎすぎると、うまくいかない理由

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「いつかは一人で行けるようにしなければ」という思いは、担任として自然な感覚です。しかし、分離そのものを急ぎすぎると、かえって不安を強めてしまうことがあります。
毎朝「今日は離れるのか」「今日はどうなるのか」と試され続ける状態は、子どもにとって大きな負担です。結果として、登校前から緊張が高まり、学校に来ること自体がつらくなってしまう場合もあります。
母子分離は大切な経験ですが、それは「条件」ではなく「結果」です。安心できる時間や場所が積み重なった先に、自然と生まれてくるものだと考える視点が必要です。

私が選んだのは「無理に離さない」という対応でした

私の学級でも、母子分離がなかなか進まない時期がありました。その中で選んだのは、「今は無理に離さない」という判断です。
これは、分離を諦めたという意味ではありません。一時的に母親の同伴を認める代わりに、時間や場面を区切り、少しずつ学校の中で安心できる経験を増やしていくことを大切にしました。
「今日はここまで」「今日はここで終わり」と見通しを持たせることで、子どもは先の不安を減らすことができます。まずは学校に来られたこと、その場にいられたことを積み重ねていきました。

母子分離より先に大切にした3つのこと

一つ目は、安心できる場所を用意することです。
教室の中に、視界を遮れて落ち着けるスペースを作り、「ここにいれば大丈夫」という感覚を持てるようにしました。

二つ目は、成功の基準を下げることです。
泣かずに過ごせた、ではなく、「泣いても学校に来られた」「同じ空間にいられた」ことを十分な成功としました。

三つ目は、終わりが分かる工夫です。
タイマーや予告を使い、「いつまで」をはっきりさせることで、不安が膨らみすぎないようにしました。

段階的に進めるときに意識したポイント

母子分離は、一日単位で進めるものではありません。週単位、月単位で揺れながら進むものです。
うまくいった日があっても、次の日に戻ることはよくあります。そのたびにやり直しだと考えるのではなく、「戻れる場所がある」と受け止めることが大切です。
小さな成功を早めに認め、できなかった日は無理に振り返らない。この繰り返しが、結果として分離につながっていきました。

保護者と共有しておきたい考え方

保護者との共有で大切にしたのは、「目標をそろえること」でした。
すぐに一人で登校することではなく、「安心して学校に通えること」を共通の目標にしました。その上で、今は分離を急がない理由を丁寧に伝え、できない日があっても責めないことを確認しました。
学校と家庭が同じ方向を向いていると、子どもは安心して揺れながら進むことができます。

それでも難しい場合は、学校だけで抱え込まない

不安が非常に強い場合や、生活全体に影響が出ている場合は、専門機関につなぐことも必要です。
それは支援を放棄することではなく、より適切な手立てを探す行動です。担任一人で抱え込まず、チームで支える視点を持つことが、結果的に子どもを守ることにつながります。

母子分離ができない子への対応|特別支援学級で無理に離さなかった理由のよくある質問(Q&A)

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母子分離ができないままでも、本当に大丈夫なのでしょうか。

今すぐ分離できなくても、それだけで支援が失敗しているわけではありません。
低学年、とくに特別支援学級では、不安が強く出る時期があります。大切なのは、学校に来ること自体が苦痛になっていないかどうかです。安心できる経験を積み重ねた結果として、母子分離が進むケースも多く見られます。

このまま見守っていると、分離できないまま固定化しませんか。

「何もしない見守り」と「意図のある見守り」は違います。
時間・場所・終わりを意識した関わりや、安心できる環境づくりを行っていれば、状況を放置しているわけではありません。段階的な見通しがある中での見守りは、固定化とは異なります。

保護者から「甘やかしでは?」と言われたらどう説明すればいいですか。

「甘やかし」ではなく「不安への対応」であることを伝えます。
今は自立を目標にする段階ではなく、安心して学校に通う土台づくりの時期であることを共有します。「今は離さない」ことが、将来の自立を妨げるわけではない、という視点を丁寧に説明することが大切です。

一度うまくいったのに、次の日に戻ってしまいました。失敗でしょうか。

失敗ではありません。よくある過程です。
母子分離は一直線に進むものではなく、行ったり来たりを繰り返します。戻った日は「ダメだった日」ではなく、「調整が必要な日」と捉え、前にできた経験を消さないことが重要です。

どのタイミングで専門機関につなぐべきでしょうか。

生活全体に強い影響が出ている場合は、早めの相談が有効です。
登校だけでなく、食事や睡眠、家庭での様子にも大きな不安が続く場合は、医療や療育機関の視点を借りることで支援の幅が広がります。学校だけで抱え込む必要はありません。

担任として、どこまで責任を負えばいいのでしょうか。

担任一人で抱えるものではありません。
母子分離は、子ども・家庭・学校環境が複雑に関わる課題です。チームで共有し、役割を分けることも大切な支援の一部です。先生自身が無理をしないことも、子どもを守る行動の一つです。

ぷーた先生

対応の考え方としてはこちらの記事も参考になります!

母子分離ができない子への対応|特別支援学級で無理に離さなかった理由のまとめ

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母子分離ができるかどうかで、その子の成長が決まるわけではありません。
安心できる時間を積み重ねた先に、自然と離れられる日が来ることもありますし、時間がかかる場合もあります。
今日、学校に来られたこと。同じ場にいられたこと。それだけで十分な日もあります。
迷いながら向き合っている先生自身も、決して間違ってはいません。

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