あなたは交流及び共同学習の準備に毎回頭を抱えていませんか?
「子どもたちのために」と思いながらも、うまくいかずに終わってしまった経験はありませんか?
交流及び共同学習は「場当たり的な準備」では子どもたちの成長機会を奪ってしまうことがあります。この記事では、22年間の特別支援教育の現場で、数えきれないほど交流及び共同学習を成功させてきた筆者が、
「準備の抜け漏れチェックリスト」や「トラブル回避の鉄則」など、明日からすぐに使える実践的なノウハウを惜しみなく公開します。
交流及び共同学習を「子どもも教師も成長できる貴重な機会」に変えるためにぜひ最後までお読みください。

この記事ではキーワードで交流及び共同学習に役立つプレゼントも配布してるよ!最後のページまで注意して読んでね!
はじめに


特別支援学級に在籍する児童生徒にとって、交流及び共同学習は社会性を育み、多様な学びの機会を得られる貴重な経験です。しかし、ただ交流の場を設けるだけでは効果的な学習にはなりません。
今回は、特別支援学級の担任として知っておくべき交流学習の基本から実践のコツまで、具体例を交えながら解説します。この記事を参考にすることで、子どもたちにとって実りある交流及び共同学習を実現するための道筋が見えてくるでしょう。
交流及び共同学習の基本的な考え方



正式には「交流及び共同学習」ですが、ここでは「交流学習」とすることもあります。
交流及び共同学習とは何か
交流及び共同学習とは、特別支援学級に在籍する児童生徒が通常の学級で学ぶ機会を持ち、様々な児童生徒と関わりながら学習する活動です。単なる「一緒にいる時間」ではなく、互いに学び合い、認め合う関係を構築する教育活動として位置づけられています。
👉 ※正式には「交流及び共同学習」と呼ばれており、文部科学省の指導要領などでもこの表現が使われています。現場では「交流学習」という言い方が多いです。
- 保護者や子どもに伝えるとき → 「交流学習」 のほうがわかりやすくて柔らかい
- 公的文書、校内研修資料、研究紀要 → 「交流及び共同学習」を使用すると適切
法的根拠と学習指導要領における位置づけ
交流及び共同学習は資料1:新学習指導要領等における交流及び共同学習関係部分に明記されています。
交流学習の教育的意義
交流学習には以下のような教育的意義があります:
- 特別支援学級の児童生徒にとって
- 多様な人間関係の構築
- コミュニケーション能力の向上
- 学習意欲の喚起
- 自己肯定感の向上
- 通常学級の児童生徒にとって
- 多様性への理解
- 思いやりや協力する心の育成
- 共生社会の基盤づくり
交流学習を成功させるための事前準備



事前学習って言われてもどこから手をつけたらいいのかな……



大丈夫!わかりやすく解説するよ
交流相手学級との打ち合わせポイント
交流学習を効果的に行うためには、関係教員間での綿密な打ち合わせが不可欠です。
打ち合わせチェックリスト(例)
- □ 交流のねらいの共有
- □ 日時・場所・時間配分の決定
- □ 児童生徒の特性や配慮事項の共有
- □ 授業内容や活動内容の検討
- □ 教材・教具の準備確認
- □ 座席配置の検討
- □ トラブル時の対応方法の確認
- □ 評価方法の確認
実践例: A小学校では、交流及び共同学習専用の個別の指導計画の一部を「連携シート」として、特別支援学級の担任が通常学級の担任に渡しています。このシートには「得意なこと」「苦手なこと」「パニック時の対応」などが簡潔にまとめられており、共通理解の土台となっています。(新たなシートを作らなくても個別の指導計画の一部を渡すor教務用パソコンで見れるようにするなど、共通理解の記録としても役立たせる)
児童生徒への事前指導
交流及び共同学習に参加する児童生徒への事前指導も重要です。
特別支援学級の児童生徒への事前指導
- 交流学級でのルールの確認
- どんな活動をするのかの説明(可能であれば視覚的支援を用いて)
- 困ったときの対処法(誰に、どう伝えるか)
- 成功体験のイメージトレーニング
通常学級の児童生徒への事前指導
- 特別支援学級の友達への理解促進
- サポートの仕方(過度な支援にならないように)
- コミュニケーションの取り方のヒント
実践例: B中学校では、交流及び共同学習の前に特別支援学級の生徒が「自己紹介カード」を作成し、好きなことや得意なことを視覚的にまとめています。このカードを通常の学級で紹介することで、スムーズな交流及び共同のきっかけとなっています。
保護者との連携方法
保護者との連携も交流及び共同学習を成功させる大切な要素です。
連携のポイント
- 交流及び共同学習の目的や内容を事前に説明する
- 家庭での様子や気になる点を聞き取る
- 交流後の児童生徒の変化を共有する
- 必要に応じて個別面談を実施する
保護者向け説明文例:「4月より、国語と図工の時間で交流及び共同学習を計画しています。お子さまの社会性や学習意欲の向上につながる機会ですので、ご理解とご協力をお願いいたします。交流及び共同学習前後でお子さまの様子に変化がありましたら、お知らせいただけると幸いです。」
交流学習のルール設定



ルールは事前に決めておかないと困るものだよね
基本的なルールの例
交流及び共同学習を円滑に進めるためには、明確なルール設定が必要です。
基本ルールの例
- 挙手して発言する
- 友達の話を最後まで聞く
- 教室内は歩いて移動する
- 困ったときは「ヘルプカード」を使う
- 休憩が必要なときは決められた場所に行く
児童生徒の特性に応じたルールの調整方法
児童生徒の特性に合わせてルールを調整することも大切です。
調整の例
- 聴覚過敏のある児童には「イヤーマフ使用OK」のルール
- 多動傾向のある児童には「5分おきに立って伸びをしてもよい」というルール
- 言語理解に課題のある児童には「ジェスチャーでの意思表示OK」のルール
ルールを視覚的に伝える工夫
ルールは視覚的に示すとより理解しやすくなります。
視覚的支援の例:
- ルールを絵カードで表示
- タイムスケジュールの視覚化
- 「OK」「NOT OK」の行動例を写真で示す
- カラーバンドを使ったグループ分け
実践例: C小学校では、交流及び共同学習用の「ルールブック」を作成しています。このブックには、絵とシンプルな文で説明されたルールが載っており、交流及び共同学習前に全員で確認しています。特に効果的だったのは、「困ったときのSOSサイン」をクラス全体で共有したことで、言葉で表現することが難しい児童も安心して参加できるようになりました。
交流及び共同学習の条件整備



机を物置にされたら困るよね!
物理的環境の整備
学習環境の整備は、交流及び共同学習の成功に大きく影響します。
環境整備のポイント:
- 刺激の少ない座席配置の工夫
- クールダウンスペースの確保
- 必要な教材・教具の事前配置
- 視覚支援ツールの掲示
- 移動経路の明確化
実践例: D小学校では、交流学級の教室の一角に「ほっとコーナー」を設置しています。このスペースには、クッションや簡単な感覚統合グッズが置かれており、気持ちが高ぶったときに自分で判断して利用できるようになっています。
時間・活動量の適切な設定
児童生徒の集中力や体力に合わせた時間配分と活動量の設定が重要です。
時間設定のコツ:
- 最初は短時間(15~20分程度)から始める
- 慣れてきたら徐々に延長する
- 活動と休憩のバランスを考慮する
- 終了時間を視覚的に示す(タイマーなど)
活動量の調整:
- 静的活動と動的活動のバランス
- 一斉活動とグループ活動の組み合わせ
- 得意な活動を取り入れる
支援体制の構築
効果的な交流学習のためには、適切な支援体制が必要です。
支援体制の例:
- TTによる指導体制の確立
- 支援員の効果的な配置
- ピア・サポート(児童生徒同士の支援)の活用
- 緊急時のバックアップ体制
実践例: E小学校の図工の授業では、特別支援学級の先生が子どものそばで活動のサポートをしつつ、通常学級担任と連携して「全体への声かけ」と「個別支援」の両立が実現しています。
また、授業後には2人の先生で振り返りを行い、次の交流に向けた工夫や配慮を話し合う時間も設けています。
交流学習のねらいの明確化


社会性の発達に関するねらい
社会性の発達は交流学習の重要なねらいの一つです。
具体的なねらいの例:
- 挨拶や返事などの基本的なコミュニケーションの習得
- 集団の中でのルールやマナーの理解
- 他者との適切な距離感の把握
- 協力して活動する経験の蓄積
評価の視点:
- 挨拶の回数や質の変化
- ルール遵守の状況
- 友達との関わりの増加
- トラブル発生時の対応の変化
学習面でのねらい
学習面での成長も交流学習の大切なねらいです。
具体的なねらいの例:
- 様々な学習スタイルへの適応
- 学習意欲の向上
- 教科内容の理解深化
- 学習スキルの獲得
評価の視点:
- 授業参加の積極性
- 課題への取り組み方
- 発言や質問の内容
- 学習成果物の質的変化
交流相手学級の児童生徒へのねらい
交流学習は双方向の学びの場です。通常学級の児童生徒にも明確なねらいを設定しましょう。
具体的なねらいの例:
- 多様性への理解と尊重
- 共生社会の理念の体得
- サポートスキルの習得
- 自己有用感の向上
評価の視点:
- 特別支援学級の友達への関わり方の変化
- 相手を思いやる言動の増加
- クラス全体の雰囲気の変化
- 保護者からのフィードバック
実践例: F小学校では、交流学習の前に「今日のチャレンジ」として、特別支援学級と通常学級それぞれの児童に目標を立てさせています。例えば、特別支援学級の児童は「3人以上に挨拶する」、通常学級の児童は「〇〇さんの得意なことを見つける」などの具体的な目標を設定し、交流後に振り返りを行っています。
効果的な交流学習の実践例


教科学習での交流例
国語科での交流実践:
- 音読リレー:特性に合わせた役割分担
- グループでの創作活動:絵本作り、劇作り
- 読み聞かせ交流:得意な児童が苦手な児童に読み聞かせ
算数・数学科での交流実践:
- 実測活動:校庭や教室の測定をペアで実施
- 買い物学習:予算内での買い物計画をグループで立案
- 数学的ゲーム:計算力や図形感覚を競い合うゲーム
体育科での交流実践:
- 協力リレー:異なる役割を持ち寄るリレー競技
- ニュースポーツ:ボッチャやフライングディスクなど
- ペア体操:互いにサポートしながら行う体操
実践例: G小学校では、図工の時間に「アートバディ」活動を実施しています。特別支援学級と通常学級の児童がペアになり、一つの大きな作品を協力して作ります。お互いの得意分野を生かした役割分担がなされ、コミュニケーションが自然と生まれる工夫がされています。
行事・活動での交流例
学校行事での交流:
- 運動会:混合チームでの競技参加
- 文化祭:共同作品の制作と発表
- 遠足・校外学習:グループ活動の工夫
日常活動での交流:
- 給食交流:定期的な合同給食
- 清掃活動:縦割りグループや役割分担による協働
- 委員会活動:能力に応じた役割の提供
実践例: H中学校では、年に3回「交流給食週間」を設けています。この期間は特別支援学級と通常学級が合同で給食を食べ、後半はレクリエーションタイムを設けています。カードゲームや簡単なボードゲームなど、言語能力に頼らない活動を中心に行うことで、自然な交流が生まれています。
日常生活での交流例
休み時間の交流:
- 「交流タイム」の設定:特定の休み時間を交流専用に
- 遊びの紹介:互いの得意な遊びを教え合う
- 交流スペースの設置:誰でも参加できる遊び場の提供
登下校での交流:
- バディシステム:登下校のペア設定
- あいさつ運動:協働での活動
実践例: I小学校では、毎週水曜日の休み時間を「みんなの時間」として設定し、校庭に様々な遊びコーナーを設置しています。各コーナーには学年を超えて楽しめるルールが視覚的に示されており、特別支援学級の児童も安心して参加できる工夫がされています。
交流学習の評価方法


児童生徒の変容の見取り方
交流学習の効果を測るためには、多角的な評価が必要です。
評価の手法:
- 行動観察記録の活用
- ビデオ記録による分析
- 児童生徒の自己評価(振り返りシートなど)
- 相互評価(友達からのコメント)
評価の視点例:
- 量的評価:交流回数、発言回数、笑顔の回数など
- 質的評価:コミュニケーションの質、学習への取り組み方など
実践例: J小学校では、「交流成長カード」を活用しています。これは児童自身が交流後に記入するカードで、「できたこと」「難しかったこと」「次回のチャレンジ」などの項目があります。このカードを時系列で並べることで、成長の軌跡が視覚的に確認できます。
教師間での振り返り
教師間の振り返りも交流学習の質を高めるために不可欠です。
振り返りの方法:
- 定期的なケース会議の実施
- チェックリストを用いた振り返り
- 相互授業参観と意見交換
- エピソード記録の共有
振り返りの視点例:
- 設定したねらいは適切だったか
- 支援の方法は効果的だったか
- 時間配分や活動内容は適切だったか
- 予想外の出来事にどう対応したか
次回への改善点の抽出方法
PDCAサイクルを意識した改善が大切です。
改善点の抽出方法:
- 「続けること」「変えること」「やめること」の3分類
- S-W-O-T分析(強み・弱み・機会・脅威)の活用
- 児童生徒の声からの改善点抽出
- 他校の実践例との比較検討
実践例: K中学校では、学期ごとに「交流及び共同学習改善会議」を開催しています。特別支援学級担任、特別支援コーディネーター、通常学級担任、管理職、スクールカウンセラーなど多様なメンバーで構成され、多角的な視点から改善点を抽出しています。
交流学習成功のためのチェックリスト


交流及び共同学習は、特別支援学級と通常学級の児童生徒双方にとって有意義な経験となります。しかし、その効果を最大化するためには、綿密な計画と準備、適切な支援体制、そして継続的な評価と改善が不可欠です。
本記事でご紹介した内容をもとに、各学校の実情に合った交流及び共同学習の計画を立て、実践していただければ幸いです。一朝一夕に成果が現れるものではありませんが、小さな成功体験の積み重ねが、インクルーシブ教育の実現につながっていくでしょう。
交流学習成功のためのチェックリスト:
- □ 明確なねらいの設定
- □ 関係教員間での情報共有
- □ 児童生徒への事前指導
- □ 保護者との連携
- □ 適切な環境・条件整備
- □ 明確なルール設定と視覚的支援
- □ 効果的な支援体制の構築
- □ 多角的な評価の実施
- □ 継続的な改善
あなたの学校での交流及び共同学習が、すべての児童生徒にとって実りある経験となることを願っています。
失敗しない交流学習|特別支援学級担任の実践ガイドのQ &A


- 交流学習はどのくらいの頻度で行うのが理想ですか?
-
子どもの状態や学級の体制によりますが、週に1回〜月に2回程度を目安に始めると無理なく取り組めます。まずは「成功体験を積める回数」を意識して、少ない頻度から始めても大丈夫です。
- 無理に交流に参加させたくないのですが…
-
無理に行かせる必要はありません。本人の気持ちを尊重することが最優先です。「今日は行きたくない」という日があってもOK。安心できる環境が整えば、自然と「行ってみようかな」と思える日が来ます。
- 通常学級の先生が交流にあまり協力的でない場合、どうすれば?
-
相手の先生にとっても“交流が負担になっている”可能性があります。簡単な支援リストや連携メモを活用し、「どうしたらお互いにやりやすいか?」を一緒に考えることがカギです。管理職やコーディネーターにも相談してみましょう。
- 交流でトラブルが起きたとき、どう対応すれば?
-
あらかじめ「困ったときの対応マニュアル」を用意しておくと安心です。
例:席を立ったら○○先生が対応/パニック時は○○へ避難など。
事前にルールと対応方法を決めておくことで、落ち着いて対応できます。
- 交流が子どもの成長にどうつながるか、どう保護者に伝えたら?
-
「交流の目的=勉強についていくこと」ではなく、「人との関わりの中で自分らしさを育てること」と伝えると納得されやすいです。具体的なエピソード(例:初めて手を挙げた/笑顔が増えた)を伝えると、保護者の安心にもつながります。
失敗しない交流学習|特別支援学級担任の実践ガイドのまとめ


交流及び共同学習は、特別支援学級の児童にとって「学びの幅」を広げる貴重な経験であり、通常学級の児童にとっても「多様性を理解する力」を育む大切な機会です。
しかし、それを意味あるものにするためには、丁寧な準備、柔軟な支援、そして振り返りの工夫が欠かせません。
ルールや支援体制を整えることはもちろん、子どもの「やってみよう」という気持ちを大切にする姿勢こそが、交流学習の成功のカギです。
担任として「この子にとって、どんな経験が成長につながるか」を日々問いながら、安心して挑戦できる場を一緒につくっていきましょう。
交流及び共同学習は、一回一回が小さな“冒険”です。
その一歩一歩が、子どもたちの未来を大きく支えていきます。
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