特別支援学級の教育課程は「学習指導要領に準ずる」とされています。
けれども、この“準ずる”という言葉に戸惑ったことはありませんか。
どこまで通常学級と同じ内容を扱えばいいのか。
どこから調整してよいのか。
学年相当は意識すべきなのか。
実は、多くの先生がここで立ち止まっています。
この記事では、「準ずる」の意味と、迷わなくなる考え方を整理します。
特別支援学級の「準ずる」とはどういう意味?

文部科学省の学習指導要領では、特別支援学級の教育課程について
通常の学級の学習指導要領に準ずる
と示されています。
ここでの「準ずる」とは、
- そのまま同じにすることではない
- 完全に別にすることでもない
- 目標や内容を参考にしながら、実態に応じて調整すること
という意味です。
つまり、「判断は担任に委ねられている」ということです。
なぜ「準ずる」は迷いやすいのか
準ずるは便利な言葉ですが、具体的な線引きは示してくれません。
- どこまで戻ってよいのか
- どこを簡略化してよいのか
- 教科書を全部扱わなければならないのか
この曖昧さが、先生を不安にさせます。
実際、「準ずる」の解釈は担任ごとに違っているのが現状です。
準ずるに迷わなくなる考え方

私自身も、何年も悩みました。
「本当にこの内容でいいのだろうか」
「学年相当を意識しなくてよいのか」
そんなとき、ある先輩から教えてもらった言葉があります。
子どもを自立できる人に育てる。
そして、
仕事ができる、就職できることを目指す。
この視点を持った瞬間、基準がはっきりしました。
就職をゴールにしたときの学習内容の選び方

もし「将来、自立して働くこと」を一つの目標に置いた場合、
優先する内容は次のようになります。
✔ お金の理解
✔ 時間を守る力
✔ 基本的な読み書き
✔ 指示を理解し、行動する力
✔ 人と関わる力
一方で、
・複雑な計算
・高度な抽象概念
・生活に直結しにくい内容
は、今は優先しないという判断もできます。
これが、「準ずる」を自分なりに具体化するということです。
準ずるとは「揃える」ことではない

準ずるを
「通常級に近づけること」
と考えると苦しくなります。
しかし、
「将来の生活につなげるために、必要な部分を参考にする」
と考えると、迷いが減ります。
準ずるとは、
教科書に合わせることではなく、
社会につなげるために選ぶことだと私は捉えています。
保護者にどう説明する?
準ずるの考え方を持っていると、
「なぜこの単元を簡略化しているのか」
と聞かれたときに、説明ができます。
「今、この子にとって必要なのはここだからです」
と、落ち着いて伝えられます。
信念があると、準ずるは怖くなくなります。
特別支援学級の「準ずる」とは?意味と迷わない考え方のよくある質問

- 教科書は全部やらないといけませんか?
-
必ずしも全部扱う必要はありません。
目標や内容を参考にしながら、子どもの実態に応じて調整します。 - 学年より下の内容に戻ってもよいですか?
-
理解が定着していない場合は、戻ることも大切です。
それも「準ずる」の範囲です。 - 通常級との差が広がりませんか?
-
大切なのは比較ではなく、将来の生活につながる力が伸びているかどうかです。


特別支援学級の「準ずる」とは?のまとめ|準ずるを支えるのは「信念」

「準ずる」という言葉は曖昧です。
だからこそ、
- ゴールを描く
- そこから逆算する
- 必要なものを選ぶ
という基準が必要になります。
準ずるとは、
教科書に縛られることではなく、
子どもの未来につなげるために選び直すこと。
その土台になるのが、先生自身の信念です。




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